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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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12月×日
「晴れの国おかやま検定」の受験申込みが締め切られた。気になっていた受験申込み者数は、前回を上回った。2月実施の受験者数は毎年キャンセルなどで少し減るが、まずはよかった。受験者数は前回、前々回とも700人を超えたので、今回は800人を超えるかも。企業などの団体の受験者数が増えたことで数字が伸びたようだ。受験者は今頃、猛勉強中かもしれない。出題問題は70〜80%は公式参考書から、残りは時事問題とされている。時事問題を予想してみると─。例えば、井原市美星町が星空版の世界遺産と称される「星空保護区」に認定されたとか、中国銀行倉敷本町出張所の建物が、大原美術館の新館「新児島館」(仮称)オープンしたとか……。
12月×日
今年の私の3冊。最近読んだ平松洋子著『父のビスコ』(小学館)がよかった。著者は同世代で倉敷市出身。週刊文春でも連載を持つエッセイスト。子供の頃の話や西日本豪雨の倉敷の話がいい。岡山市にある真如院の話、引用していた「旅館くらしき」の女将の原稿などが興味深い。タイトルになっている「父のビスコ」のエッセイで書かれていた父親の話では泣けた。そして高田貫太著『アクセサリーの考古学─倭と古代朝鮮の交渉史─』 (吉川弘文館)と古市晃著『倭国 古代国家への道』(講談社現代新書)を挙げておく。『アクセサリーの考古学』は『海の向こうから見た倭国』を読んでから着目している著者の新刊。この本の著者も『倭国 古代国家への道』の著者も、岡山にゆかりの考古学者。
12月×日
日本漢字能力検定協会が「今年の漢字」は「金」の文字と発表。東京オリンピック・パラリンピックで日本人選手が多くの「金」メダルを獲得したとはいえ、ピンとこない。ユーキャン新語・流行語大賞の「リアル二刀流/ショータイム」には、納得。今年の明るい話題はずっと大谷翔平だった。トップテンに入った「黙食」「人流」は確かによく聞いたが、「ゴン攻め/ビッタビタ」「スギムライジング」「親ガチャ」「ぼったくり男爵」などは意味さえあやふや。違和感さえある。時代の感性をキャッチする感覚が錆びついている。
12月×日
「岡山弁トランプ」のラジオ広告が、山陽放送ラジオは年末年始に、エフエムくらしきには年賀に流れる。「岡山弁トランプ」は岡山弁でと、代表が考案した下記の原稿が流れる。エフエムくらしきでは、局側から「声の年賀状」として年始用にと、冒頭に「お正月じゃなぁ~」が追加された。
…………………………………………………
(女性)「お正月じゃなぁ~~」
「岡山弁トランプ」であそぼーや!
(男性)「岡山弁トランプ」? そりゃあ、なにー?
(女性)知らん? 岡山弁がのっとるトランプじゃが……。
(男性)でーれー面白そうじゃなあ。どこで売りょん?
(女性)本屋さんか、吉備人出版にきいてみられー。
(女性)「岡山弁トランプ」でーれーセット、好評発売中。
詳しくは吉備人出版のホームページへ。
…………………………………………………
原稿を読むアナウンサーを、できれば岡山弁をネイティブで話せる方にとお願いしている。さて、どんなイントネーション放送されるのか。
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12月×日
3月に刊行した『新岡山の山100選』の「お詫びとお知らせ」を小社ウェブサイトにアップした。同書は、西日本豪雨の土砂崩れなどでコースが傷んだため全コース再踏査したことを謳っていたが、読者の指摘で100座のうち2座のみについて確認が不十分だったと分かった。いずれも踏査に危険ということはない。1座は「やぶこぎ」の道が舗装されてむしろ安全になっている。しかし100座を踏査し直したとPRしてきたのに、2座がきてなかった。そのお詫びである。お詫びと訂正の紙は、本書にも挟む。ただ残部が少なっているので、チェックをし直した改訂版の制作にとりかかっている。
12月×日
Eテレの書評番組「100分de名著」は観ている。最近、お勧め書籍番組「理想本箱 君だけのブックガイド あなたと本の幸福な出会いを仲介するプライベート・ライブラリー」が面白そうだ。静かな森の中にあるプライベート・ライブラリーという設定で、テレビ的演出もいい。毎週テーマを設けて、ブックディレクターの幅允孝氏が3冊を紹介する。テーマが「もう死にたいと思った時に読む本」「将来が見えない時に読む本」などのように若者を対象としているようだが、どんな本を紹介するかが興味深い。幅氏は10年以上前に選書家として話題になった人で、会社にして公共図書館や病院、ホテルなどで図書の選書を仕事にしていたところまでは知っていた。久しぶりにテレビ出演になった彼の選書が見どころ。
12月×日
今年の仕事で、短い「吉備の古代史」ストーリーを書いた過程で、今後調べてみようと思ったことがあった。5世紀中ごろに造山古墳や作山古墳などの巨大古墳が築かれた後は、6世紀半ばにこうもり塚古墳など大きな横穴式石室を持つ古墳が築かれるまで、目立った古墳が造られなくなる。この間に、『記紀』では雄略天皇の時代にあたり、吉備がヤマト政権に反乱を企て失敗した伝承が記されている。ヤマト政権の中央集権化が進んだ時期とされるが、もう少し詳細に何が起こったか詳しく知りたいと思った。吉備に古墳が築かれなくなる空白の100年を、来年のテーマにしよう。
12月×日
品切れになっていた『絵図で歩く倉敷のまち』を急きょ、観光用にマイナーチェンジして再発することになった。散策の6コースあったものを4コースにし、判型も一回り小さくする。初版発売後、数年で品切れのままになっていた。増刷しなかったのが不思議なくらい。グルメ情報を排除して歴史本として制作したが、初版発売後10年が経っており、街が大幅に変わっている。10年前だから、倉敷駅の北がチボリ公園後の更地の写真を載せている。駅前には再開発ビルができている。店舗が閉店して新しい店が入り、新しい観光施設ができている。テキストを書き換えたり写真を差し替えたりしなければならない。著者らからは、実際に歩いて初版本の改訂版をしたいとの声も。来年はコロナが終息して、観光地が観光客であふれてほしいものだ。
12月×日
岡山放送の新本社に打ち合わせに行く。同社はイトーヨーカ堂岡山店の跡地にできた両備の「杜の街グレース」へ、この秋、本社機能を移転した。周辺は来年夏に開業予定の商業ビルや、市内で最も高いビルになる地上37階でのマンション棟(360戸)が工事中だった。田町の県産業会館は平地になってマンションの工事が進み、絵図町のロイヤルホテルや学南町の旧岡山放送のビルは解体されている。昨年にも増して市内ビルのスクラップ&ビルドが進行している。現在も幸町や昭和町、西古松など市内各地でマンションが建設されている。ここ数年、分譲されたマンションは年間約600戸前後で、ほとんどが完売しているという。しかし、今後これだけマンションが増えると、需給のバランスが崩れるのでは。
12月×日
5年前に発売し品切れになっていた「岡山弁トランプ」(青山融著)を増刷。岡山を舞台に主人公たちが岡山弁を連発する連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」に便乗して岡山弁を普及したい。絵柄に岡山弁を解説しただけでなく、トランプとしても本格的なもの。トランプをしながら岡山弁を使ってほしいし、岡山弁を思い出してほしい、そして岡山弁をトランプで楽しんでほしい。同時期に岡山県が、読み札で県内の名所や名産品を紹介する「岡山発見かるた」を発売した。絵札を担当しているのは、「おかやま検定」公式参考書の表紙デザインを担当してもらった「COCHAE」。県内の主要書店の店頭では、「岡山弁トランプ」と「岡山発見かるた」が並べてディスプレイされている。
12月×日
児島湾干拓を推進した藤田伝三郎をマンガで描いた『近代の岡山を拓いた男─藤田伝三郎物語』を小社ウェブサイトにアップ。藤田伝三郎が干拓事業を引き受けたことが原動力になって海が広大な耕地になった。この人がいなければ、今のような干拓地の姿になっていない。製作中に干拓の遺跡を巡って、「よくもこんな広い土地を干拓しようと考えたものだ」と改めてその広さに驚いた。残念なのは、妹尾川のレンガ造りの三連樋門が普通の橋になるなど、干拓の関連遺跡が失われていたこと。干拓地だったことを知らない世代が増え、歴史遺産の価値が失われようとしている。このマンガが児島湾干拓の歴史を知る入り口になってほしい。小社ウェブサイトのみで無料閲覧が可能。https://www.kibito.co.jp/fujitadenzaburo/ 
12月×日
児島湾の干拓地のことを調べていると、干拓地に供給される灌漑用水が気になり、妹尾川をさかのぼっていくと総社平野を流れている十二ヵ郷用水にたどり着く。妹尾川の水を藤田農場に引くために、妹尾北部にある丘陵を掘り下げる大工事を行っていた。重機のない時代に、3キロを超える岩盤を砕く難工事の当時の様子を写した写真が残っていた。労働者の汗が土に染み込んでいると、ここは「汗入」地名が残っている。現地を歩くと、工事区間の長さと水路の深さを体感できる。その川の水は、干拓地の農地を潤す網の目のような水路に続く。すべて人海戦術。現代の生活は、先人の労働と思いの上に成り立っている。
12月×日
「岡山の農産物のブランド化」のシンポジウムの書籍化をするにあたり、巻末に農産物の特産品リストを掲載することにした。机上で調べただけでも、かなりある。有名なところでは、黄ニラ・岡山パクチー(岡山市中区牟佐地区)、蒜山だいこん(真庭市蒜山)、連島ごぼう(倉敷市連島)、千両なす(岡山市南区藤田)、黒大豆「作州黒」(美作市勝英)など。農業関係の団体にあたってみると、姫とうがらし(鏡野町)、ヤマノイモ「銀沫」(真庭市勝山)、備前黒皮かぼちゃ(瀬戸内市)、哲西栗(新見市哲西町)、セロリ(総社市)、マッシュルーム(瀬戸内市)、エンダイブ(赤磐市)、トレビス(矢掛町)、リーキ(浅口市)、茶葉(高梁市)備中小豆(新見市)、佐伯こんにゃく(和気町佐伯)、パスクラサン(赤磐市)、スイートピー(倉敷市船穂)、リンドウ(新見市)など、書ききれないほど。
12月×日
TSUTAYA書店でなどで書籍の売り場面積が縮小し、雑貨の売り場の面積が増えている。この傾向は数年前から始まっていることだが、更に進んできている。充実してきた雑貨コーナーの中では菓子類などの商品も多く、その中から「金澤クッキー」を見つけた。製造は石川県金沢市の菓子メーカー。地元産の玄米や甘酒、水飴、加賀野菜の五郎島金時芋を使用した、ご当地菓子だ。「どれどれ」と買って食べてみると、うまい。「金沢」ではなく「金澤」の漢字を使っているのもいい。人にも勧められる。私がプロデュースした「金澤クッキー」と言ってもいいぐらいの仕上がりになっている。「これなら」と勝手に、「金澤家の認定クッキー」とした。この時期だからお歳暮にと、お世話になっている、かつ、シャレの通じる人に手渡しした。
12月×日
歌集の制作が進行している高齢の著者から、電話が入ったのは3週間ほど前。「入院したので、またこちらから連絡する」という短い連絡だった。こちらから連絡できないままでいたら、「退院したから、来てほしい」と電話があり、ご自宅に。話をうかがうと、心筋梗塞になって救急車で入院していたという。運ばれる救急車の中で、「本がつくりかけのままになっている。このままでは死ねない」と思ったそうだ。歌集の編さんが生還を促したかは分からないが、急場のときに思い出していただいたのはうれしい。「命拾いした」と言いながら、続きの編集作業の打ち合わせをした。人生のまとめにと思って書いてきた著書は、完成させて残しておかなければならいものなのだ。
12月×日
ビリー・ホリデイの生涯を描いたドキュメンタリー映画『BILLIE ビリー』をシネマ・クレールで鑑賞。代表曲が「奇妙な果実」といわれるほどで、黒人差別と闘ってきた。書籍『歌と映像で読み解くブラック・ライヴズ・マター』(藤田正)でも、アルバム「奇妙な果実」(ビリー・ホリデイ)が最初に紹介されているほど。映画は、若い女性ジャーナリストが1960年代から10年近く関係者にインタビューした200時間以上の録音テープが発見され、その証言を基にビリーの貴重な映像で構成されたもの。インタビューでこれまで知られていなかった貴重なエピソードも盛り込まれ、サスペンス映画のようでもあった。評伝づくりの手法としても面白い。最新技術を駆使したカラー映像もよかった。会場はほぼ満席。最後にピーター・バラカンの短いトークショーがあった。
11月×日
造山古墳の陪塚の一つ、第二古墳の発掘調査で新たな埴輪列が出土しと発表があった。第二古墳の付近では、以前に同様の埴輪列が見つかっており、これらの埴輪が第二古墳に伴う可能性が高まったという。調査では、この墳丘の規模は2段築造で、一辺35メートル、周溝が巡っている。方墳であることや埴輪列があることなど、周辺にある他の5つの陪塚とは異質で、不明なことも多いようだ。この方墳を故・薬師寺慎一氏は『考えながら歩く吉備路』下巻で、古代中国に築かれた「地壇」だとしている。この方墳と造山古墳の円墳の墳頂を、冬至の日の出線が一直線に結ぶという。冬至の日は、日の出を見に現地に行ってみよう。
11月×日
この年に1度の定期健診。胃の検査は別日となったが、身長や体重、視力や聴力などの基本検査、血液や便の成分検査、レントゲンやエコー、心電図などを診てもらった。最後の医師の問診を受けたが、コレステロール値が少し高いことを指摘されたほかは、特に問題はなかった。今回最大の目標にしていたのは、近年縮んでいる身長が170センチを下回らないようにすること。計測前に息を吸って背筋を伸ばし、かかとを上げないまでも思いっきり背伸びをする。計測値は170.1センチ。なんとかクリア。
11月×日
『6歳児のことば』の増刷を機に、言語教育用絵本シリーズの4冊を岡山市内にある児童発達支援センター「かなりや学園」へ案内に行く。この学園は難聴幼児の早期発見し、現状の聴こえる聴覚を最大限に活用しての言語指導やその保護者の支援などをしている。岡山県内各地から約70人が通園している。こうした施設は少なく、山陰からの通園者もいるそうだ。昭和44年から難聴幼児専門の通園施設としてスタートして、昭和50年に厚生省から難聴幼児専門通園施設の第1号として認可を受けた。ここにも「福祉の県おかやま」の一端があった。子育てしやすい環境整備には、こうした施設が拡充していくことも必要。言語教育用絵本も、聴覚障害のある子どもの役に立つことができれば。同園に、この絵本のチラシと見本を置いていただけることになった。
11月×日
この週は、県内で新型コロナの新規感染者がゼロの日があった。夏に「第5波」が急激に拡大し、県内では1日当たりの感染者が一時300人を突破し緊急事態宣言が発令され、その後まん延防止等重点措置期間を経て減少してきた。全国的に減少に転じる中で、岡山県は人口10万人当たり陽性者数が2週連続で全国最多となって不安に思っていたら、やっと感染者がゼロの日もあり、かなり落ち着いてきたので安堵する。そうこうしていたら、感染力の強いオミクロン株の感染者が世界的に急速に広がって、外国人の新規入国を停止するというニュース。「鎖国」の文字が新聞に載り、第6波に怯える。
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プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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