7月×日
総社市のインターチェンジ近くの物流センターに中四国地方で初めてアマゾンが入居し、稼働している。地元紙でも潜入ルポを掲載していた。この物流センターには大型倉庫(鉄筋5階)が3棟あり、アマゾンはその中の「GLP岡山総社II」1階全フロア(約1万2千hm)を賃借。書籍の扱いはないようだが、日用品や食品、家電製品などを扱っているそうだ。従業員数や保管品目数、1日当たりの出荷数量などは公表していない。現在は昼間だけ稼働しているが、取扱量が増えれば増員して24時間稼働に切り替え、空いている倉庫2階部分などに広げるという。中四国の交通の結節点の岡山県、ICの側、立地は最高だ。翌日、即日配達に対応するのだろう。この物流センターから、ドローンが飛び立つ日が来るのか…。
7月×日
アマゾンは、6月末で日販へのバックオーダー発注を止めた。アマゾンは日販を主要な取次店。同社から注文を受けた日販に在庫がなければ、出版社に書籍を注文するー、これをバックオーダーという。書店に買いたい本を注文し、店内にその本がなければ取次店に注文を出し、取次店に在庫がなければ、取次店は出版社に注文を出す。このルートで書籍が書店に遠くまで約2週間。バックオーダーにかかるこの日数を、アマゾンは待てない。そこで出版社と「e託」と呼ばれる直接取引ルートを設けた。何十年も放置してきた取次店が解決するべきこの「2週間問題」を解決しようとしたわけだ。アマゾンは、注文者を待たせないために、出版社との直接取引に移行している。小社は数年前に「e託」契約して、書籍販売先としては大取引先となっている。
7月×日
久しぶりにマンガの制作。といっても、今回は出来上がったマンガの増刷時に、吹き出しの台詞の漢字にすべてルビを振るというもの。前回に漫画を作ったのは6年程前の『劇画 戦国武将・宇喜多四代』か。今回は市販しない私家本だが、作画はプロの漫画家がしている。初版は原作者の知り合いの地元の印刷会社が引き受けたが、受け取ったデータを関西の印刷所に丸投げし、原作者が1度も校正をすることもなく、数カ月後に送られてきたマンガ本にルビが一つも付いてなかった。総ルビ、巻末の写真をカラーにするなど、原作者が強く指示していたにもかかわらず。そこでこの本の増刷を依頼されたのが小社。増刷にあたり当初の依頼を引き受けて受注したもの。書籍制作を通常の仕事にしている会社にとっては当たり前のことが、書籍制作をしたことのない印刷会社にはむずかしかったようだ。
7月×日
B’zのライブが7月22日に津山文化センターで開催される。ボーカルの稲葉浩志が津山市出身で、地元が盛り上がっている。朝日新聞は、稲葉氏が音楽の道に進むきっかけとなった高校時代のエピソードを載せた。ギター好きの高校生が文化祭で演奏しようとボーカルを探していた。テニス部で甲高いかけ声を出している稲葉が目にとまり、バンドに誘った。文化祭に向けて練習を積んだが、当日は練習のしすぎで声が十分出ず、この経験が音楽を続けるきっかけになった。一方、バンドに誘った高校生は教員になり、今は地元の高校の教頭先生。二人の友情は今も続いている。このちょっといい話、地元の山陽新聞も後追いで掲載。この話の後追いをするのなら、地元の「加計学園」問題も後追い取材してくれよ。
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7月×日
隣のビルの解体が終わった。すぐに地神祭をして翌日から建設工事。静かになったと思ったら、壊すのとは違う振動と騒音。更地の東西南北4辺に細長い鉄板を地中深く打ち込んで並べていく。叩いて打ち込むのではなく、強力な重機で上から圧力をかけて長い鉄板を埋め込んでいくようだ。これが地面を通じてこちらのビルに振動がビンビンと伝わってくる。長く続くと、微振動で気持ち悪くなり体調を崩しそう。自社ビルなら苦情の一つも言っていくが、賃貸の身、グッと我慢。来年2月には6階建て賃貸マンションが完成するそうだ。それまでの辛抱だが、8ヶ月は長いな。
7月×日
新刊『字が汚い!』(新保信長著)の書評を新聞で見つけ、他人事と思えず購入。20代の頃はDMの宛名書きは手書きだった。前に勤めていた新聞社でのこと。社員の分担で宛名を書いていると、上司から「お前は書くな!」と言われたことがあった。元々、字は下手という自覚はあったが、それ以来、コンプレックスとなって人前で字を書くのを避けている。本書の著者も、なるほど字が汚い。ペン習字の本やペン習字教室に通って美しい字を目指すが、この効果はさほどないようとだなめていた。ところが、最後の2行でどんでん返し。本文ではなく、あとがきの最後の2行が衝撃的。
7月×日
おかやまマラソンに当選したものの、参加費の入金を失念し、締切り日を過ぎていた。おかやまマラソンのホームページは見ていたのだが…。締め切り日を小さく書くんじゃない、もっと大きく表示しておいてくれよ、と苦情を言いたい気分。せっかく当選し、2年連続で参加できると思っていたのだが…。30年連続は無理としても、29年連続を目指そうと思っていたのに…。とはいえ、去年のあの後半の苦しさから逃れると思えば、ホッとする自分もいる。振り込むはずだった参加費1万円を、何に使おうかと考えると、得をしたような気持ちにもなる。残念なような、喜ばしいような複雑な気持ち。
7月×日
岡山県立記録資料館は古写真や史料を閲覧したりするなど、1年に1、2回程度は利用する。同館の取材に同行させてもらって館内を、館長の案内で見学させてもらった。県庁などの公文書など、行政資料や古文書などを保管する同館は、今年で開館12年目。だが、一般にはあまり知られていない地味な施設とも言える。デジタル化を進めながらも、原本を温度や湿度を管理した部屋で保管する。誰かが、どういう目的かで、いつか利用されるために保存しておいてくれる。最後に、信念を持った人が収集・保管してくれているという安心感が残った。
7月×日
椅子を新調した。座面はオレンジ、背もたれがメッシュ、今風のスタイリッシュなデザイン。これまでの椅子は、前の津島事務所の時代に、同じビルに入居していた小児科医が使っていたものを譲り受けた。今では座面の布の糸がほつれてビロビロになり、中のクッション地がのぞいていた。椅子を回転させるとキーと音がする。新型チェアは、座面の回転もローラーの滑りが格段にスムーズ。倉敷市水島の商店街で、キャスター付きの事務椅子に乗って速さを競う「いす-1グランプリ(GP)岡山大会」を開催している。このチェアで出場すれば、勝てそうだ。
6月×日
高梁方谷会が「方谷祭」の記念講演会の講師として、静岡県在住で『「鉄気籠山」-山田方谷「改革」の地を歩く-』の著者・鎌倉国年氏が、高梁市に来られた。書籍制作の時は、宅急便とメール、電話だけのやりとりだったので、お会いするのは今回が初めて。講演は元企業経営者らしく、松山藩の財政を経営的に分析する一方で、晩年の漢詩を取り上げて哲学的な話をされていた。県内の研究者とはひと味違ったアプローチだ。奥さんや娘さんらご家族で来岡されていた。娘さんはNHKの「クローズアップ現代+」の鎌倉キャスター。ご本人らも、高梁市に来ることは思ってもいなかったことのよう。
6月×日
史上最年少でプロとなった中学3年生の藤井聡太四段がデビューから29連勝。記録を30年ぶりに更新。連日、前人未到のこの快挙がトップニュースだ。このことがきっかっけで、我が家でも小学生と将棋の勝負。これまでは私の3連勝。子どもは将棋アプリをダウンロードして、将棋をしているようだ。将棋ソフトで遊んでいるうちに、実力をつけていくかもしれない。藤井君も、将棋ソフトを使って力を培ったという。今度の勝負がいつになるかわからないが、将棋ソフトで遊ぶのに飽きればこちらの勝ちだ。飽きなければ、こちらが負けになるのは時間の問題。
6月×日
連日、報道の加計学園の問題。最近、「週刊文春」は、加計学園から幹事長代行に200万円の「闇献金」があったと疑惑を報じた。加計学園側は、このことについて「献金をしたことはないし、パーティー券を購入したこともない」と否定するコメントを全国紙などに出している。このことについて、地元紙は不自然なほどに書かない。無関心なのか、地元企業社長との「お友達クラブ」で仲良くしていて書けないからなのか。こんな時こそ独自取材すれば、記者を鍛えるチャンスになるのだが…。取材相手を恐れず、ファクトを集めるしかない。このままでは、いつまでたっても「イベント新聞」。
6月×日
この日に訪問したお年寄りは、「若い頃にこんなことがあったか、何年のことだったか」を調べたいが日記帳が多すぎてたいへんだという。この方は、昭和26年から93歳の現在まで毎日欠かさず日記を書いている。約70年間の日記帳は数十冊になって本棚にあるふれ、1階と2階の本棚にあり、めくって探すのが大変という。ここ数年の日記帳は軽い脳梗塞のせいで、字が乱れているが、しっかり書き込んでいる。戦争中には従軍日記も書いている。小さい手帳には極小の文字がビッシリ。生涯の日記を残すなんて、究極の自分史。この「1週間分の…」はアップアップしながらなので、あやかりたい。
6月×日
「津山を歩く会」でお世話になっている津山ボランティア協議会。その窓口になっていただていた方が、那岐山の登山中に沢に滑落して亡くなったことが分かった。数週間前に「歩く会」で一緒に歩いたばかり。会社を退職してから、家の庭で奥さんと一緒にバラの栽培をされている話をされ、facebookで満開のバラ写真をよくアップしていた。そのfacebookに突然、「息子です」と名のる人が、「父が亡くなった」と書いた。フェイクニュースかと疑った。観光ボランティアガイドの役員の方からも電話があり、事実と知った。突然の死に戸惑う。
工事中
6月×日
「なぜ、岡山のドライバーはウインカーを出さないのか?」の特集記事が「週間プレイボーイ」に載る。ウインカーを出さない岡山」として定着しつつある。交差点前の道路上になどに「★合図」と書かれウインカー点滅を促しているのは岡山ぐらいらしい。その原因について、この記事ではいくつかの説を紹介している。電池とバッテリーや電球が消耗するのを嫌がる「ドケチ説」。農作物が豊かで他人を配慮する習慣がない「自己中説」。人前に出て目立つことを嫌う「謙虚説」など。ついでに言えば、ウインカーを出すのが遅い奴も多い。走っていて、前の車が急にウインカーを出し曲がる。急すぎてヒヤッとすることがある。「ケチ」「「謙虚」よりも、相手の立場で考えることができない「自己中」が多いということだ。気をつけよっ。
6月×日
「おかやまマラソン」の県民枠では落選したが、一般枠で当選。「やったー」と喜ぶよりも「今年も走るのかよ〜」という感じ。去年は初めての出場で、足の裏に痛みが出て辛かった。あの苦しみをまた味わうのかと思うと、今年はもう少し練習して臨むしかない。運動靴を底のぶ厚いものに変えて見よう。数年前からエントリーをして、大会に出場するのだからと、朝のジョギングのモチベーションにして練習をしてきたこともある。それにしても朝夕、街中でジョギンする人をよく見かけるようになった。年々増えていく。「おかやまマラソン」は今年で3回目。これからも岡山人の健康維持と医療費の抑制に貢献していくことだろう。
6月×日
戦国時代、備中高松城で毛利と対峙していたとき、「本能寺の変」で織田信長の死を知った豊臣秀吉は、毛利との講話を手早く済ませ、石田三成を打つため、軍勢を率いて京都まで引き返して「山崎の戦い」に臨んだ。この「中国大返し」を実践するため、岡山から京都までの約220キロを走るという。当時も梅雨の時期だった。ウルトラマラソンを経験した30人ほどの有志で、2日間ほどかけて完走を目指すらしい。古代船に数人が乗り込んで、台湾から沖縄までを手漕ぎで航海した人たちがいたが、それにも匹敵する歴史実証実験。私は秘かに応援している。ガンバレ!
6月×日
今年度の「晴れの国おかやま岡山検定」についての打ち合わせ。知事の肝煎りで、検定のネーミングも一新して実施してきた。今年からは3年間で、受験者3000人を目指すという。とはいえ、特別に新しい試みをするわけでもなく、受験者の目標が掲げられただけのようだ。あえて言えば、知事の意気込みが感じられる、そして3000人をクリアできる有効な対策がほしかった。ただ、今年から予算が正式についたらしい。これまでの3年間は正式でなく、いろんな資金の寄せ集めだったらしい。私は県職員、市町村の職員受験、企業や学校などの団体受験が目標達成のポイントとなると思う。公式参考書はこれまでのものをマナーチェンジして、9月に刊行。試験日は昨年同様に2月。
6月×日
隣のビルの解体工事が順調に進む。ついに1階部分にとりかかる段階になって、重機が変わり、音と振動が変化してきた。一角獣のような重機で、土に埋もれた部分のコンクリートを突いて破壊する。その時のドンドンドンの連続音と共に地面が揺れ、その振動が衝撃的。騒音も大きく、一時的に社内の会話も支障が出るほど。ふと『絵図で見る岡山城下町』を思い出し、江戸時代の地図に現代の地図を重ねてみる。現在も残る内堀と、かつての中堀の間にもう一つの大きな内堀があり、その堀がこの敷地にかかっている。もしくは接触するようにすぐ近くにあったようだ。この揺れの大きさ、この堀があったことに影響していると思う。
6月×日
津山のイオン店内の書店で出版相談会。津山のイオン店の客層は若い。津山イオン店は、岡山のイオンができてから、徐々にお客さんが減少傾向という人もいる。それにこの日は、近くにケーズデンキのオープンセールと真向かいにあるエディオンのリニューアルセールの初めての土曜日なるため、お客さんが若干少ないようだ。アルネにおいてはさらに客足が遠のいており、状況は深刻のようだ。どこの書店も例外ではなく、書籍の棚は減って雑誌とコミックとベセトセラーは充実させている。地元本の書棚のある書店が減り、棚の面積はせばまるばかり。
6月×日
日曜日、「絵図で津山を歩く会」を実施。この会は『絵図で歩く津山城下町』で紹介する6コースを、著者の案内で実際に歩いてみようという企画。今回で3回目。津山の周辺の市町村からも参加者があり、全員で53人。ポイントで立ち止まっては、講師の話を熱心に聞かれていた。全コースをビデオ撮影する方がいるほど。帰って歩いたコースを振り返って復習するのだろう。先々週ぐらいにNHK「ブラタモリ」が尾道や倉敷をテーマにして放送していたので、「ブラタモリ」が津山に撮影に来てくれたらと、「ブラタモリ」待望論が渦巻いていた。
6月×日
新刊『101匹目のジャズ猿—yambow平井の岡山ジャズ回想録—』が面白い。岡山市内にあったジャズ喫茶やレコードショップの店長をしていた著者が自分が関わった音楽シーンを書いている内容。本書に登場する音楽関係の店のほとんどがなくなっている。自分の記憶からも消えていた店もあり、読んでいると懐かしくもあり、当時の店長のことや店の雰囲気がよみがえってくる。学生時代に体験したジャズ喫茶は強烈で、岡山に戻ったらそんな店を探して行っていた。それにしてもあの暗闇の中の大音量で聴くジャズ喫茶文化が、日本独特のものと知るのはずっと後になってからだった。
6月×日
倉敷市に関係する仕事で役所に行く。対応窓口の方は、いわゆるキャリア官僚。話を聞いているだけで優秀さが伝わってくる。地方で経験を積んで中央の霞ヶ関で働くエリート官僚になっていくのだろう。倉敷市の市長も東大、ハーバード大卒で、倉敷市役所の職員時代は超エリート官僚だったとか。総務省にいったんは戻ってから、倉敷市長に立候補している。この倉敷市長の評判は、役所内の職員にもすこぶるよいようだ。「歴代の市長と比べると…」という質問をしたことがあるが、「比べものにならない」ということらしい。高い目標を設定されるので、幹部職員は大変でもあるようだ。
6月×日
共謀罪がろくに審議もしないで採決された。共謀罪そのものも問題があるが、それを運用する側が問題だ。あるものを「ない」と言ったり、不利なことを隠し通そうとする政府がどうも信用できない。これからどんな暗い時代になっていくのか、国の将来に暗雲が立ちこめる気分だ。『暗い時代の人々』(森まゆみ著)は、大正から戦前までの言論統制されていた時代に信念を持ち続けた人たち8人を描く。そのうち、九津見房子、竹久夢二、山川菊栄の3人が、岡山ゆかりの人物。山川菊栄は山川均の妻で、墓が倉敷市にある。山川均は知られているが、菊栄のことはこの本で知った。
6月×日
助成金がもらえなくなって、活動が停滞していた「自転車ネット」のメンバーと、久しぶりに市街地を走行。「岡山歴史のまちしるべ」という史跡に看板を付け、それを地図にプロットしたものがパンフレットになっていた。その看板を、パンフレットを見ながら巡ろうと提案すると賛同があった。岡山の市街地も過去の歴史の地層を剥がしながら巡っていくと、意外と楽しい。看板の場所だけを示すそのパンフレットだけでは分からない疑問が出てきて、もっと情報を盛り込んだものにしてほしかったと思ったりもする。巡っている途中、看板に明らかな間違いを発見。市役所の担当課に伝えようか…。
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
方谷研究会。
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