3/11(日)
2年前、東北大震災で約2万人が亡くなった。テレビや新聞の特集番組で、未だに悲しみに暮れる人々が紹介されると、そのたびに何ともいえない気持ちになる。そして津波を引き金に起きた原発事故。原発をまだ再稼働をしたがっている奴らがいる。よっぽど甘い汁を吸ってきた既得権者が、政財界にはごろごろいるのだろう。
3/×
事務所の近くにある県立図書館へ、近刊本に使う学徒動員の画像を探しに出かける。2階の郷土書コーナーに行くと、著者の方など知り合いの方とよくお会いする。この日は、一年ぶりぐらいな方と会って小さな声で立ち話。話している間に別の知人が通り過ぎる。郷土本コーナーにいる人はみんな知的好奇心の旺盛な方で、目の輝いている人が多いと思う。
3/×
ある方の紹介で、「市民の文芸賞」の実施を提案するためにある市の教育委員会へ出かけた。この市ゆかりの文学者は、柴田錬三郎や正宗白鳥、藤原審爾、最近では小手鞠るいがいる。文芸でまちづくりを活性化できるかもしれない。教育を優先課題としてしているそうだから、小中学校の指導にも組み込めばいい。それにしても、教育委員会幹部の方々の反応の無さはなんなんだろう。
3/×
2年前に発刊した料理本の著者と増刷の交渉。重ね煮の野菜と玄米。素材をまるごといただく料理で健康にと、この本で著者は長年の料理教室で自説を展開し、料理店で創作料理を提供してきた。本は料理教室のテキストになり、お店の宣伝媒体にもなってきた。著者がこれからも料理教室やお店をもっと続けて行くなら、本は必要だと思う。著書は、著者と共に歩む。
3/×
夕方、秋の検診でよくなかった血中のコレスレロール値を再検査するために医院へ。結局、標準値を超えており、医者の指導で薬を飲むことに。薬を常飲するようになるとは、ちょっとショック。肉類や油物は避け、野菜中心の食生活にしているのだが…。最近の書評に載っていた『50歳から炭水化物をやめなさい』という本が、うさん臭いタイトルと思いつつ気になっている。
2年前、東北大震災で約2万人が亡くなった。テレビや新聞の特集番組で、未だに悲しみに暮れる人々が紹介されると、そのたびに何ともいえない気持ちになる。そして津波を引き金に起きた原発事故。原発をまだ再稼働をしたがっている奴らがいる。よっぽど甘い汁を吸ってきた既得権者が、政財界にはごろごろいるのだろう。
3/×
事務所の近くにある県立図書館へ、近刊本に使う学徒動員の画像を探しに出かける。2階の郷土書コーナーに行くと、著者の方など知り合いの方とよくお会いする。この日は、一年ぶりぐらいな方と会って小さな声で立ち話。話している間に別の知人が通り過ぎる。郷土本コーナーにいる人はみんな知的好奇心の旺盛な方で、目の輝いている人が多いと思う。
3/×
ある方の紹介で、「市民の文芸賞」の実施を提案するためにある市の教育委員会へ出かけた。この市ゆかりの文学者は、柴田錬三郎や正宗白鳥、藤原審爾、最近では小手鞠るいがいる。文芸でまちづくりを活性化できるかもしれない。教育を優先課題としてしているそうだから、小中学校の指導にも組み込めばいい。それにしても、教育委員会幹部の方々の反応の無さはなんなんだろう。
3/×
2年前に発刊した料理本の著者と増刷の交渉。重ね煮の野菜と玄米。素材をまるごといただく料理で健康にと、この本で著者は長年の料理教室で自説を展開し、料理店で創作料理を提供してきた。本は料理教室のテキストになり、お店の宣伝媒体にもなってきた。著者がこれからも料理教室やお店をもっと続けて行くなら、本は必要だと思う。著書は、著者と共に歩む。
3/×
夕方、秋の検診でよくなかった血中のコレスレロール値を再検査するために医院へ。結局、標準値を超えており、医者の指導で薬を飲むことに。薬を常飲するようになるとは、ちょっとショック。肉類や油物は避け、野菜中心の食生活にしているのだが…。最近の書評に載っていた『50歳から炭水化物をやめなさい』という本が、うさん臭いタイトルと思いつつ気になっている。
PR
3/1
岡山理科大学の「岡山学」研究会が、岡山県「文化奨励賞」を受賞した。文系の研究者も加えて、地域のテーマを多角的に研究していこうと13年前に発足。「備前焼」「旭川」「高梁川」「岡山の災害」など1年に1つのテーマを掲げ、シンポジウムの開催と書籍の出版をしてきた。書籍は10巻になる。版元としても受賞はうれしい。今年のテーマは「瀬戸内海」だ。
3/2
映画監督、写真家、地域おこし協力隊。30代の若い者が発言するシンポジウムで傍聴。都会から田舎に戻るかどうか。やりたい活動と生業をどう両立させるか、結婚は…。確かに大きな問題だが、地方にいるからできることは多い。地域の環境の中で生活しながら、自分の表現方法で文化を発信していく。特に最近、若い人の発言が刺激になる。
3/3
早朝、龍ノ口山の北壁をアタック。「登山詳細図」を使って、絶壁の「行者コース」を約30分で登頂。戦国時代、宇喜多直家の命を受け、城主の首を討った岡剛介が駆け下りたルートかもしれない。帰りは「地蔵尾根コース」で東へ下る。北方面の眺望はバツグン。牟佐の畑に出ると、ニラの臭いがツンとした。
3/4
日曜日の山陽新聞に新刊『風がはこんできた手紙』が紹介された。毎年「松ぼっくり」という会誌を発行してきたが、今年は創立50周年記念ということで市販本に。会には「同人誌とは言え、一流の書き手の作品群に圧倒されました」などの声が届いているそうだ。市販本にしていただいたことで新聞にも取り上げられ、会の名前が広がってよかった。
3/5
朝、市内の集合住宅の上階で、火事が発生。消防車が駆けつけヘリコプターが飛び、周辺は騒然としたことだろう。火の用心、火の用心。午後から、紹介でお医者さんの出版相談に出かける。予防法など分かりやすい内容の本を、市内の書店に置きたいとのこと。本が、岡山市内の患者さん向けの啓蒙・宣伝ツールにもなる。1年がかりでじっくり執筆・制作していくことに。
3/6
これまで発刊してきた紙の本を著電子書籍にしようと、著者に案内する書類発送の段取り。18年前に会社がスタートしたころには、こんな時代が来るとは思わなかった。みんなが端末機で読書をする時代になるとは、未だに半信半疑。3年先か、5年先になるのか知らないが、来るべき時代に備えるためにと、自分を納得させながらの一人作業。
3/7
「半田山登山詳細図」の販路を「操山公園里山センター」と「半田山植物園」ですることに。最初に販売の依頼に行った時には「民間のものは販売しない」とのつれない返事だった。ある方の紹介により上から話が通ると、即OKに。行政の広報物にも民間の広告を入れる時代。どうも行政の方の中には保身意識が強い人が多いようだ。
3/8
2年前に発刊した『日本一周どんぶらこ』を原作に映画化をと、実行委員会が立ち上がり動いている。著者とプロデューサー、実行委員長と会った。本の製作中に、著者と「これが映画になったらいいよね」なんて話をしていた。それが現実になるかもしれないと。不思議な魅力を持った著者である。映画化実現のために、協力をしていきたい。
3/9
5年ほど乗っている自転車の後輪タイヤを交換した。通勤で使っているだけだが、タイヤの表面のはがれた。ゴムがちびて、うげた(岡山弁=はがれたこと)。タイヤが新しくなっただけなのに、走りが新鮮でかろやか。夕方、職場からちょっと足を伸ばして本屋さんに。自転車で走るのにいい季節になってきた。花粉とPM2.5が飛ばなければ、もっといいのだが…。
岡山理科大学の「岡山学」研究会が、岡山県「文化奨励賞」を受賞した。文系の研究者も加えて、地域のテーマを多角的に研究していこうと13年前に発足。「備前焼」「旭川」「高梁川」「岡山の災害」など1年に1つのテーマを掲げ、シンポジウムの開催と書籍の出版をしてきた。書籍は10巻になる。版元としても受賞はうれしい。今年のテーマは「瀬戸内海」だ。
3/2
映画監督、写真家、地域おこし協力隊。30代の若い者が発言するシンポジウムで傍聴。都会から田舎に戻るかどうか。やりたい活動と生業をどう両立させるか、結婚は…。確かに大きな問題だが、地方にいるからできることは多い。地域の環境の中で生活しながら、自分の表現方法で文化を発信していく。特に最近、若い人の発言が刺激になる。
3/3
早朝、龍ノ口山の北壁をアタック。「登山詳細図」を使って、絶壁の「行者コース」を約30分で登頂。戦国時代、宇喜多直家の命を受け、城主の首を討った岡剛介が駆け下りたルートかもしれない。帰りは「地蔵尾根コース」で東へ下る。北方面の眺望はバツグン。牟佐の畑に出ると、ニラの臭いがツンとした。
3/4
日曜日の山陽新聞に新刊『風がはこんできた手紙』が紹介された。毎年「松ぼっくり」という会誌を発行してきたが、今年は創立50周年記念ということで市販本に。会には「同人誌とは言え、一流の書き手の作品群に圧倒されました」などの声が届いているそうだ。市販本にしていただいたことで新聞にも取り上げられ、会の名前が広がってよかった。
3/5
朝、市内の集合住宅の上階で、火事が発生。消防車が駆けつけヘリコプターが飛び、周辺は騒然としたことだろう。火の用心、火の用心。午後から、紹介でお医者さんの出版相談に出かける。予防法など分かりやすい内容の本を、市内の書店に置きたいとのこと。本が、岡山市内の患者さん向けの啓蒙・宣伝ツールにもなる。1年がかりでじっくり執筆・制作していくことに。
3/6
これまで発刊してきた紙の本を著電子書籍にしようと、著者に案内する書類発送の段取り。18年前に会社がスタートしたころには、こんな時代が来るとは思わなかった。みんなが端末機で読書をする時代になるとは、未だに半信半疑。3年先か、5年先になるのか知らないが、来るべき時代に備えるためにと、自分を納得させながらの一人作業。
3/7
「半田山登山詳細図」の販路を「操山公園里山センター」と「半田山植物園」ですることに。最初に販売の依頼に行った時には「民間のものは販売しない」とのつれない返事だった。ある方の紹介により上から話が通ると、即OKに。行政の広報物にも民間の広告を入れる時代。どうも行政の方の中には保身意識が強い人が多いようだ。
3/8
2年前に発刊した『日本一周どんぶらこ』を原作に映画化をと、実行委員会が立ち上がり動いている。著者とプロデューサー、実行委員長と会った。本の製作中に、著者と「これが映画になったらいいよね」なんて話をしていた。それが現実になるかもしれないと。不思議な魅力を持った著者である。映画化実現のために、協力をしていきたい。
3/9
5年ほど乗っている自転車の後輪タイヤを交換した。通勤で使っているだけだが、タイヤの表面のはがれた。ゴムがちびて、うげた(岡山弁=はがれたこと)。タイヤが新しくなっただけなのに、走りが新鮮でかろやか。夕方、職場からちょっと足を伸ばして本屋さんに。自転車で走るのにいい季節になってきた。花粉とPM2.5が飛ばなければ、もっといいのだが…。
「そうじゃ吉備路マラソン」のハーフに出場した。天気も良く、それに今年から公認コースになって国道180号や国分寺前の270号の車道を走ることができ、気持ちよくゴールできた。タイムは昨年より1分更新して2時間5分。
この「そうじゃ吉備路マラソン」は一時中断していたものを、今の総社市長が3年前に復活させた。年々、参加者が増え、今年は17000人を超えたそうだ。その市長は過去3回ともフルマラソンで出場し、完走している。今では「東の東京マラソン、西の総社マラソン」を目指すと公言し、意気盛んだ。
東京マラソンの参加者は3万人を超えてダントツ。これに大阪、神戸、沖縄、名古屋などが続いて、総社は9位。地方都市の市民マラソンでは健闘している。ところが昨年の秋ごろから、伊原木知事や高谷岡山市長らが岡山市内でマラソン大会を開催すると言い出して、総社市長がこれに噛み付いた。「隣接の市でマラソン大会を2つ開催すると参加者が減り、共倒れになる」という理由からだ。これに対して伊原木知事は「影響はない」として、来年には開催すると言う。現在、総社市長は、知事と岡山市長とに3者会談の開催を申し入れているようだ。
はたして知事の言う、岡山市と総社市で秋冬に実施して、「参加者数に影響がない」のだろうか。実際に走らない知事の言葉には説得力がない。私なら両方は参加しない。いや最初の年はもの珍しさがあって参加者は多いかもしれないが、次の年は2つの大会には参加しないだろう。どちらかが毎年徐々に減る、いやどちらの大会も徐々に減っていくだろう。「影響はない」わけがない。
高谷岡山市長もやる気のようだが、ご本人の見解は聞こえてこない。今年の秋の任期まで話題づくりをやっておけばいいとでも考えているのだろうか。第一、この市長は岡山市を「自転車先進都市」にするといって宣言していたが、今やそのことに触れもしない無責任さだ。岡山市内の公道を封鎖してやるなら、自転車競技だろう。隣の市でマラソンの集客が好調だから「真似してやれ」ということなのか。最近では、「伝説の岡山市」など広告代理店のプレゼンにのっかって妙な話題づくりだ。
いずれにしても、岡山市と総社市の両方は無理な話。1本化が現実的な考え方だ。ちなみに、私案として言うならば、岡山の総合グラウンドをスタートし総社のきびじアリーナまでを直線で「ハーフ」、この往復を「フル」で実施したらどうか。このコースでスタートを1年ごとに入れ替える。距離はピッタリだ。
3者会談で結果がどうなろうとも、総社市長には最後まで大いに吠えてもらいたい。
この「そうじゃ吉備路マラソン」は一時中断していたものを、今の総社市長が3年前に復活させた。年々、参加者が増え、今年は17000人を超えたそうだ。その市長は過去3回ともフルマラソンで出場し、完走している。今では「東の東京マラソン、西の総社マラソン」を目指すと公言し、意気盛んだ。
東京マラソンの参加者は3万人を超えてダントツ。これに大阪、神戸、沖縄、名古屋などが続いて、総社は9位。地方都市の市民マラソンでは健闘している。ところが昨年の秋ごろから、伊原木知事や高谷岡山市長らが岡山市内でマラソン大会を開催すると言い出して、総社市長がこれに噛み付いた。「隣接の市でマラソン大会を2つ開催すると参加者が減り、共倒れになる」という理由からだ。これに対して伊原木知事は「影響はない」として、来年には開催すると言う。現在、総社市長は、知事と岡山市長とに3者会談の開催を申し入れているようだ。
はたして知事の言う、岡山市と総社市で秋冬に実施して、「参加者数に影響がない」のだろうか。実際に走らない知事の言葉には説得力がない。私なら両方は参加しない。いや最初の年はもの珍しさがあって参加者は多いかもしれないが、次の年は2つの大会には参加しないだろう。どちらかが毎年徐々に減る、いやどちらの大会も徐々に減っていくだろう。「影響はない」わけがない。
高谷岡山市長もやる気のようだが、ご本人の見解は聞こえてこない。今年の秋の任期まで話題づくりをやっておけばいいとでも考えているのだろうか。第一、この市長は岡山市を「自転車先進都市」にするといって宣言していたが、今やそのことに触れもしない無責任さだ。岡山市内の公道を封鎖してやるなら、自転車競技だろう。隣の市でマラソンの集客が好調だから「真似してやれ」ということなのか。最近では、「伝説の岡山市」など広告代理店のプレゼンにのっかって妙な話題づくりだ。
いずれにしても、岡山市と総社市の両方は無理な話。1本化が現実的な考え方だ。ちなみに、私案として言うならば、岡山の総合グラウンドをスタートし総社のきびじアリーナまでを直線で「ハーフ」、この往復を「フル」で実施したらどうか。このコースでスタートを1年ごとに入れ替える。距離はピッタリだ。
3者会談で結果がどうなろうとも、総社市長には最後まで大いに吠えてもらいたい。
岡山県備前市の出身の里村欣三という作家がいた。この里村は旧日生町に生まれ、戦争の徴兵を忌避して満州に逃亡後、帰国してプロレタリア作家として文芸誌で活躍する。その後、マレーシアやボルネオに従軍し、「従軍作家」として作品を発表し名声を得るが、昭和20年にフィリピンで銃弾を受けて戦死する。里村については、「徴兵の忌避」やプロレタリア作家から従軍作家へ「転向」ということもあり、あまり知られることはなかった。
ところが10 年ほど前から、日生町でこの里村欣三を顕彰しようという気運が起こった。戦争の時代に巻き込まれて「転向」いう生き方をしたが、地元出身の優れた作家として知ってもらうためだ。2年前に顕彰碑を建て、昨年は文学の関係者や里村ゆかりの人を招いてシンポジウムなども開催してきた。そしてこのほど、生誕110年記念の『里村欣三の眼差し』という書籍を発刊した。この本では50人もの方が里村を顕彰し回想する文章を寄稿している。http://www.kibito.co.jp/
この里村欣三顕彰会の方がこんな話をされた。
「里村欣三といっても、備前市全体では盛り上がらないんですよ。備前市には柴田錬三郎、正宗白鳥、藤原審爾をはじめ有名な作家の出身地です。作詞家の岡千秋も日生町から出ています。文学で地域おこしができるのですがねえ。備前市は備前焼と閑谷学校のみです。それはそれでいいことなんですよ。世界遺産を目指すというのもいいですよ。でも、市全体がそれで一辺倒というのはどうなんですかねえ」
市町村合併後、合併された小さな旧町村の意見は通りにくくなっているのかもしれない。それに予算の規模も小さくなり、文化事業の予算は削られているのだろう。備前市には、市民から小説や随筆、詩、俳句、短歌などの作品募集をして、地元の方が審査して書籍(冊子)にして発表する、いわゆる「市民の文芸」事業をやっていない。文化連盟などのような団体はあるようだが、たぶん天下りの団体になって新しい活動的なことはしていないのだろう。
この「市民の文芸」事業は、備前市だけでなく隣の瀬戸内市でもやっていないようだ。この事業は、各分野の審査員も必要で、地元の文化的な層の厚さがないとできないのかもしれない。とはいえ、やろうと思えばできないはずはないのだが…。
倉敷市や岡山市、総社市などは毎年、小学生から大人までの作品を市民から募集し、発表している。岡山県でも「岡山の文学」としてやっている。それらの作品集が本屋さんにならんでいたら、応募者の励みになるだろう。子どもの頃から生涯にわたって、市民が活字や本に親しみ、文芸作品を創作することは人生を豊かにするはずである。また「坪田譲治文学賞」(岡山市)や「内田百閒文学賞」(岡山県郷土文化財団)など、地元出身の文学者の名を冠にしている文学賞も、全国の地方都市にある。
「文化度」を書店の数や図書館での貸出し数などで計ることがあるが、行政の文化への取り組み度を計るには「市民の文芸」事業をやっているかどうかも尺度の一つになるのではないか。それでいうと、岡山県内の行政文化度は「西高東低」と言える、のかもしれない。
ところが10 年ほど前から、日生町でこの里村欣三を顕彰しようという気運が起こった。戦争の時代に巻き込まれて「転向」いう生き方をしたが、地元出身の優れた作家として知ってもらうためだ。2年前に顕彰碑を建て、昨年は文学の関係者や里村ゆかりの人を招いてシンポジウムなども開催してきた。そしてこのほど、生誕110年記念の『里村欣三の眼差し』という書籍を発刊した。この本では50人もの方が里村を顕彰し回想する文章を寄稿している。http://www.kibito.co.jp/
この里村欣三顕彰会の方がこんな話をされた。
「里村欣三といっても、備前市全体では盛り上がらないんですよ。備前市には柴田錬三郎、正宗白鳥、藤原審爾をはじめ有名な作家の出身地です。作詞家の岡千秋も日生町から出ています。文学で地域おこしができるのですがねえ。備前市は備前焼と閑谷学校のみです。それはそれでいいことなんですよ。世界遺産を目指すというのもいいですよ。でも、市全体がそれで一辺倒というのはどうなんですかねえ」
市町村合併後、合併された小さな旧町村の意見は通りにくくなっているのかもしれない。それに予算の規模も小さくなり、文化事業の予算は削られているのだろう。備前市には、市民から小説や随筆、詩、俳句、短歌などの作品募集をして、地元の方が審査して書籍(冊子)にして発表する、いわゆる「市民の文芸」事業をやっていない。文化連盟などのような団体はあるようだが、たぶん天下りの団体になって新しい活動的なことはしていないのだろう。
この「市民の文芸」事業は、備前市だけでなく隣の瀬戸内市でもやっていないようだ。この事業は、各分野の審査員も必要で、地元の文化的な層の厚さがないとできないのかもしれない。とはいえ、やろうと思えばできないはずはないのだが…。
倉敷市や岡山市、総社市などは毎年、小学生から大人までの作品を市民から募集し、発表している。岡山県でも「岡山の文学」としてやっている。それらの作品集が本屋さんにならんでいたら、応募者の励みになるだろう。子どもの頃から生涯にわたって、市民が活字や本に親しみ、文芸作品を創作することは人生を豊かにするはずである。また「坪田譲治文学賞」(岡山市)や「内田百閒文学賞」(岡山県郷土文化財団)など、地元出身の文学者の名を冠にしている文学賞も、全国の地方都市にある。
「文化度」を書店の数や図書館での貸出し数などで計ることがあるが、行政の文化への取り組み度を計るには「市民の文芸」事業をやっているかどうかも尺度の一つになるのではないか。それでいうと、岡山県内の行政文化度は「西高東低」と言える、のかもしれない。
昨年、書店で流通させて販売した本は約30冊。定価を付けず販売しない、いわゆる私家本類は約20点だった。私家本の中には、個人でつくられた俳句や短歌、詩の作品集や自分史、郷土史などのほか、企業や官公庁、特殊法人などの団体がつくる記念誌や報告書、美術館の図録もある。
個人でつくられる作品集などは、「本にして残しておこう」という著者の意向で制作される。自分史や長年調べてきたことや書きためたことをまとめたいという方だ。知り合いの方に配られたり、図書館に寄贈する程度なので印刷部数は少ない。一般の人の目に触れることはあまりなく地味だが、著者を知る人や、その地域の人にとって大切な本となる
2012年の私家本の中で特に紹介したいのが『平川の歴史-岡山県高梁市備中町平川の歴史-』と『美和の郷風土記』。『平川の歴史』(A5判、112頁、並製本)は備中町の教育長もされた江草正光さん(70代)が中心になり、町内の有志数人で平川という小さなエリアの古代から近世までの歴史を調べてまとめられた。高齢者中心の典型的な中山間地の村で、「自分たちが調べて残しておかないともう分からなくなってしまう」という危機感から「平川の歴史を語る会」を結成してまとめたものだ。
『美和の郷風土記』(A5判、195頁、上製本)の著者は郵便局長を務めて退職された浦上宏さん(80代)。自分のルーツを探る『浦上氏の系譜』(私家本)を6年前に刊行し今回が2冊目になる。瀬戸内市長船町東須江在住で地域の歴史に強い関心を持たれているようで、各地を歩いたうえでまとめられている。「はじめに」に書かれているように「活字にしておかないと消えてしまう」という想いで執筆したそうだ。須江の地名から分かるように古代から「須恵器」が焼かれていた地域で、後にそれが北の山を越えて備前の地に移り「備前焼」になる。古墳もあって、私自身がこのエリアの歴史に興味があるからだが、参考になる内容だ。
歳をとると自分のルーツや育った土地の歴史に興味が出てくる人が多い。地域の歴史をコツコツ調べて書いて残すことは大切だ。次の世代がやがて歳をとり、地域の歴史に関心を持ち、こうした書物を読んでくれかもしれない。もし自分たちの地域の歴史を書いた書籍がなければ、若い人たちにはその地域にたいした歴史がなかったのかと思うかもしれない。調べて足を運んで取材し、そこに住んでいる人に話を聞いて書いておくーそんな人が各地に増えてほしいものだ。できれば、そんな人の本づくりの手伝いをしていきたい。
個人でつくられる作品集などは、「本にして残しておこう」という著者の意向で制作される。自分史や長年調べてきたことや書きためたことをまとめたいという方だ。知り合いの方に配られたり、図書館に寄贈する程度なので印刷部数は少ない。一般の人の目に触れることはあまりなく地味だが、著者を知る人や、その地域の人にとって大切な本となる
2012年の私家本の中で特に紹介したいのが『平川の歴史-岡山県高梁市備中町平川の歴史-』と『美和の郷風土記』。『平川の歴史』(A5判、112頁、並製本)は備中町の教育長もされた江草正光さん(70代)が中心になり、町内の有志数人で平川という小さなエリアの古代から近世までの歴史を調べてまとめられた。高齢者中心の典型的な中山間地の村で、「自分たちが調べて残しておかないともう分からなくなってしまう」という危機感から「平川の歴史を語る会」を結成してまとめたものだ。
『美和の郷風土記』(A5判、195頁、上製本)の著者は郵便局長を務めて退職された浦上宏さん(80代)。自分のルーツを探る『浦上氏の系譜』(私家本)を6年前に刊行し今回が2冊目になる。瀬戸内市長船町東須江在住で地域の歴史に強い関心を持たれているようで、各地を歩いたうえでまとめられている。「はじめに」に書かれているように「活字にしておかないと消えてしまう」という想いで執筆したそうだ。須江の地名から分かるように古代から「須恵器」が焼かれていた地域で、後にそれが北の山を越えて備前の地に移り「備前焼」になる。古墳もあって、私自身がこのエリアの歴史に興味があるからだが、参考になる内容だ。
歳をとると自分のルーツや育った土地の歴史に興味が出てくる人が多い。地域の歴史をコツコツ調べて書いて残すことは大切だ。次の世代がやがて歳をとり、地域の歴史に関心を持ち、こうした書物を読んでくれかもしれない。もし自分たちの地域の歴史を書いた書籍がなければ、若い人たちにはその地域にたいした歴史がなかったのかと思うかもしれない。調べて足を運んで取材し、そこに住んでいる人に話を聞いて書いておくーそんな人が各地に増えてほしいものだ。できれば、そんな人の本づくりの手伝いをしていきたい。
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
最新コメント
[09/02 おおもりひろみ]
[02/26 岡山商科大学はあなたの夢を叶えます!]
[09/04 r1pb1jm142]
[05/20 omachi]
[12/23 やぶひび]
最新記事
(01/07)
(01/05)
(01/05)
(12/13)
(12/04)
最新トラックバック
ブログ内検索