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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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『岡山後楽園の春夏秋冬』
著者 難波由城雄

岡山の贈答品や土産に
フランスのミシュラン観光ガイドブックで三つ星を獲得している後楽園。これまで日本三名園の一つで、名勝指定もされていたうえに、世界的にも魅力的な庭園として評価されたわけです。
難波由城雄氏は、その後楽園築庭300年祭の時に最も注目されたカメラマン。本書に収録している38枚の写真は難波氏が10年前にそれまでの25年間に撮った6万点の中から厳選したもの。移り行く季節それぞれの景色を独特の審美眼で捉えています。一枚一枚めくる度に、この季節にこのポイントから見てみたいと思ってしまうでしょう。
巻末の短い解説を読むと、後楽園の簡単な歴史や魅力に触れることもでき(英訳付き)、県外や外国の方へ岡山をアピールする贈答品やお土産としてもお勧めです。地元に住む私たちも郷土の一級文化財に出かける回数を増やして、園内の花や緑、自然の変化を楽しみたいものです。

B5判、86頁、並製本、定価2100円(本体2000円+税)

(上記の記事は、岡山日日新聞の書籍紹介コーナーに掲載されたものです)

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3月と4月は新刊ラッシュ。1カ月と半月で8点、この月末までにはまだ増える予定。小社の月平均からするとかなりのハイペース。年間を通し、毎月コンスタントにといきたいところだが、不思議と偏ってしまう。
この時期に風邪を引いてしまった。足の関節が痛く、体がだるく微熱があるようなので、早めに仕事を終えて夕方医者を訪ねたが、その日は木曜で休診。ドラッグストアで買ったドリンク剤「葛根湯」を飲んでしのぐ。家では子どもにうつってはいけないから、別部屋に隔離状態。翌日も同じ症状が続くが、通常勤務。ドリンク剤を「麻王湯」に替える。土曜日の午前中は会社でデスクワークして、午後は外部の編集会議に出て夕方から出版記念会。なんとか持ちこたえ、翌日曜日は一日中ダウンして爆睡。この間、飲んだ漢方ドリンク剤は約15本。
月曜の朝は一旦出勤するが、やはり体調が悪く医者で診察。B型インフルエンザとの診断。「え〜、そうだったの〜」。即、帰宅して隔離部屋に直行。医者の薬で火曜の朝には熱が下がる。体温が37度以下になって48時間以上経てばよいということで、火・水曜日は出勤せず。木曜から通常業務。医者に行ったのは治りかけの段階だったのか…。インフルエンザでも通常業務だったが、それにしても現時点で子どもも含めて周辺の人にうつった人がいないのが幸い。
教訓:体調が悪ければすぐに医者へ!(あたりまえ)。

20年ほど前、RCサクセションの「COVERS(カバーズ)」が発売禁止になったことがある。今は購入もできるし、CDレンタルショップで借りることもできる。
この「COVERS」は、有名な洋楽に歌詞を変えて日本語で歌っているカバーもの。泉谷しげる、坂本冬美、三浦友和などもゲスト参加している。発売中止になったのは、歌詞が反核・反原発の内容になっていたからだ。
当時から知られた話だが、原子炉をつくっていた東芝が子会社で発売元の東芝EMIにストップをかけたといわれている。「COVERS」の曲の中でも「サマータイムブルース」「ラブミーテンダー」の歌詞に反原発の強烈なメッセージが込められている。20年以上前の録音だが、原発事故の起こった今聴くと言葉がさらにリアルだ。その後、清志郎はタイマーズを結成して、反核など社会風刺いっぱいの曲を収めたCD「ターマーズ」を発表している。
彼が亡くなった時、「キング・オブ・ロックンローラー」と言われていたが、私に言わせば「キング・オブ・ロックスピリッツ」の人なのだ。生きていたら、被災した人たちのために支援コンサートを開いてこれらの曲を歌っただろう。

 

4月になって、やっと桜の花がほころび始めた。20日前、大規模地震の被害状況を映す映像は現実のものとは思えず、悲惨さに満ちていた。最近になって被災された人の話題が特集されたり、子ども達のことが記事で紹介されるようになった。それらをテレビや新聞で目にするたびに涙がこみ上げてしかたがない。
その東日本大震災の津波で起こった福島原発事故には、腹が立ってしょうがない。「絶対安全」「事故などありえない」と言って原発を推進してきた東電幹部や科学者、原子力保安院の人たちは、事故が起こるとなすすべもなく、終息までには十数年かかると言う。しかもどんな放射性物質が検出されても「人体に影響はない」の繰り返し。国際原子力機関が計測した値は避難するレベルと発表しても、日本の計測計測の方が正しく、海に流れ出た高濃度の放射性物質は海水で薄まるので問題はないと言う。記者会見などで出てくる情報やその出し方、何かおかしいと勘ぐってしまう。
昨日の夜は、福島県出身の俳優・西田敏行氏が「福島産野菜を食べよう」というイベントに参加したニュースが流れていた。西田氏は「福島を汚してしまったのは誰だ!」と怒りながら、涙ぐんでキュウリをかじっていた。
 『留岡幸助と備中高梁-石井十次・山室軍平・福西志計子との交友関係-』

著者 倉田和四生

福祉の風土生んだ高梁
最近、児童福祉の先駆者として知られる高梁市出身の留岡幸助(1864~1934年)の生涯を描いた映画「大地の詩(うた)-留岡幸助物語」が、公開されました。留岡役には村上弘明さんが、その妻役には工藤夕貴さんが演じ、高梁市内でもロケが敢行されました。
 本書を発刊したのは2005年。それまで留岡はあまり知られていない人物でした。著者は、当時の順正短期大学(現・吉備国際大学短期大学部)の学長。留岡幸助は高梁城下町の商家で育ち、明治期になってキリスト教の影響を受けて、社会事業にまい進していきました。著者は、その背景となった山田方谷が唱えた「至誠惻怛(しせいそくだつ)」という福祉と奉仕の理念と、早くから自由民権運動の精神やキリスト教を受容した高梁市の風土に着目します。留岡の生涯を紹介しながら、高梁を舞台にした石井十次や山室軍平、福西志計子らと間で繰り広げられた人間ドラマを興味深く描いています。

四六判、312頁、上製本、定価1890円(本体価格1800円+税)
(上記の記事は、岡山日日新聞の書籍紹介コーナーに掲載されたものです)

プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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