工事中
6月×日
この日、『おかやまの文化財・建築』(臼井洋輔・著)を岡山県内の小・中学校へ寄贈するために封入・発送作業をする。この書籍は、学校への寄贈を前提に、漢字にはルビを付けなどして制作をしてきた。寄贈先の小・中学校は約560校。2年前の小・中学校の寄贈校は50校も減っている。岡山市市街地でも、小学校は子どもの人口減少により廃校が進み、現在は1校のみ。県北でも廃校と統合が進んでいると思われる。ところが岡山市中心部ではマンションの建築が進み、若い層も入居しているようで、子どもの数が増え、教室が足らなくなってきているそうだ。全国の地方都市で共通の減少のよう。
6月×日
大望の「ブラタモリ」倉敷が放送される。テーマは「なぜ美しい町並みが倉敷に?」。年間350万人が訪れる岡山県下最大の観光スポット「美観地区」周辺が舞台。いくつかの質問が用意されていたが、タモリはほとんど正解していく。番組内で一番驚いたのは、かつて豪商だったという森田酒造の敷地の広さ。通りに面した店舗はホンの一部で、酒蔵のでかいこと。あんなに広いとは知らなかった。空襲に遭わず、倉敷の人が町並みを残すべくして残してきたというとてもキレイなエンディング。番組が続いけいけば、何年後かには岡山か津山を取り上げてほしい。
6月×日
昨年、原稿依頼をしていた先生について。今年2月末の締め切りに原稿をもらえなかったので、メールしても返事はなく、電話をかけても出ない。自宅に連絡を取ると、「3月中旬には出せす」と言うことだったが出ず。4月上旬になっても届かないので電話すると、「連休明けには」とのこと。やはり出てこないので、連絡を取ると「5月の末には必ず」。5月の末になって、お弟子さんを通じて「原稿依頼を文書でもらっていないので書かない。出せば6月15日までには書く」と言う。すぐに速達で発送。さて、ホントに書くのか。それにしても、この先生、教育者としてどうなの?
6月×日
この日の夜は、方谷研究会の役員会。今年10月に実施予定の研究発表の候補者を選定する。今年の研究テーマの候補が挙がり、機関誌の内容の報告し、今年度の取り組みの方向も出た。この会を創設した太田会長が亡くなり、会に距離をおく会員があったり、会の方針を学術研究からそらす発言があったりもするが、その都度、話し合って軌道修正していくしかない。来年以降、活動の助成金などが止まったときに、活動が続けられるかの将来不安もある。そのため、企業の協賛金集めの活動なども今から考えておかなければならないが、とにかく今年の活動を着実に実施していくことから。
6月×日
株主総会。委任状を提出する方もあり、数人の株主でスタート。売上げがほんの少し伸びたこともあって、和やかに短時間でお開きに。月々の売上げが12カ月たまって決算数字となる。書籍制作は、特にページ数の多い書籍の制作は半年以上、数年かかることもある。予定していた月に刊行に遅れてしまうことも多い。今年度も、仕事一つひとつ、書籍1冊1冊の積み重ね。ていねいにスムーズに、よいものを誠実に作っていきましょう。それにしても、1週間の作業があっという間。1カ月が飛び去り、1年がすぐに経ってしまう。今年も、既に半年が過ぎようとしている。
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5月×日
日曜日、グレッグ・オールマンの訃報が新聞に載った。彼は、アメリカの「オールマン・ブラザーズ・バンド」のボーカルとキーボード奏者。グレッグの渋い声、兄のデュアン・オールマンのスライドギターが魅力で、彼らのレコードはよく聴いた。。特に「フィルモア・イースト」という2枚組のライブ盤をはじめ、「イート・ア・ピーチ」「ブラザーズ&シスターズ」などは愛聴盤。iTuneになっても今も聴くが、音が古くならない。デュアンはオートバイ事故で、24歳で亡くなるっている。この日は「オールマン・ブラザーズ・バンド」特集にして、彼らの音楽を流した。
5月×日
日曜日の山陽放送主催「戦乱に運命を懸けた城主たち」講演会。1部は岡山城の発掘を手掛けた方と、岡山出身で宇喜多秀家の妻・豪姫の地元・金沢城調査研究所の方が発表。それぞれ20分の講演。2部は岡山出身の人気作家・磯田道史氏と歴ドル(歴史好きのアイドル)、テレビのコメンテーターで毎日新聞の岸井氏らの鼎談。磯田氏は、地元での講演ということでのはしゃぎっぷりは微笑ましくもあった。古文書がネイティブの磯田氏は、各地の書簡などをあさって、目を通しているから面白い裏話が飛び出す。突飛な話でも、誰も反論できない。一次史料を読んでいる強みだ。
5月×日
著者のお宅でのこと。刀の写真を撮っるため、本物の日本刀を初めて抜く。刀を抜く前に、テッシュを口にくわえるように言われる。理由を聞くと、刀身に息を吹きかけないためだそうだ。時代劇でも、何か布のような物を口にしていた。しまう前には、打ち粉をポンポンと叩いて粉をかけ、その粉を拭き紙で拭き取り、さらに油塗紙で拭く。刀身を抜いたのは1分程度だったが、仕舞い方の作法があるようだ。この作法を施さないと、錆が着くらしい。刀を抜くと、やはり身の危険を感じてしまう。著者が高齢で、震える手で扱われると、危なっかしくてしょうがない。
6月×日
備前市に行ったので、正楽寺に寄る。『おかやまの文化財〈建築〉』で紹介されている山門を確かめるためだ。山門は想像していたより小さく、軒裏の波のような雲のような彫刻は、著者が「建築の概念を超えた雄渾な彫刻」と指摘する通りで、素晴らしい。大工の名前も分かっていて、棟梁・野村長右衛門信慶。また、境内で目についたのが、かまぼこ状の石塀。閑谷学校の丸みを帯びた石塀だ。ここでもあの河内屋治兵衛らの石工集団の仕事が残っている。地名の蕃山が示すように、熊沢蕃山の屋敷跡がある。元は違う村名だったが蕃山隠棲の地に因んで蕃山(しげやま)村と改称されたと言う。
6月×日
打ち合わせに岡山武道館内の会議室を使う。岡山武道館の主道場は八角形の形状で、東京の武道館を真似た構造。会議室などは半地下部分にあり、昭和45年に建築するまで、津島遺跡の上にあるため、建築反対の運動があったことを知る人は、今では少ない。結局、県営グランドの北西隅の現在の位置にできた。武道だけではなく、商業用のプロレスの興行もやっていた。この日、会場に入ると、インターハイの柔道の試合をしていた。ちょうど美作高校と関西高校の決勝戦で、高校生とは思えないいかつい顔をした巨漢の二人が戦っていた。『岡山県柔道史』は今年度中に刊行予定。
5月×日
事務所の隣にある6階建てのビルが解体工事中だ。もう数週間、揺れが続いている。地震とは微妙に違う揺れだが、時折、大きな揺れがある。工事をしていない時に、揺れているような気がすることがある。解体するビルの周囲は、二重の防音シートですっぽり覆われているため、内部はうかがい知ることはできない。防音シートの高さが低くなってきているので、上階から崩して廃棄物をトラックで運び出しているようだ。最近の解体工事は周到で、周囲に迷惑のかからない配慮をしているのは分かるが、揺れだけはどうしようもできないのだろう。
5月×日
9月に市長選挙がある。広告代理店と話をしていたら、コンペに出す企画について、市長選を意識して迷惑のかからない内容にするという。民間企業も市長選挙を忖度(そんたく)する。森友学園問題で「忖度」という言葉を使うようになった。権力者の意向をくみ取って下の者が言動を控えたり、遠慮したりすることは、よくあること。強権であればあるほど、ものが言えなくなり、忖度度がアップする。忖度できなければ、空気が読めない、配慮ができないと嫌われる。今の社会は「忖度社会」だ。忖度は、今年の流行語大賞にノミネートされるはず。
5月×日
『おかやまの文化財〈建築〉』(臼井洋輔)が出来。建築を語りながら、著者の「岡山文化論」が展開される。特に力が入っているのが、「岡山の全塔」の項。県下の19基の全塔の写真を掲載し、解説している。岡山県は、三重塔が日本で一番多いそうだ。その理由を、牛窓や邑久地域はかつて造船作りが盛んで、造船技術を持つ大工が多く、出向いて神社や仏閣、塔建築をするようになったこと、災害が少ないために多く塔が残ったこと、報恩大師という宗教家が出たことを挙げている。そして、古代から現代まで、先取的に色々な文化を取り入れる岡山県気質を理由にしている。
5月×日
(…続き)岡山県人は古代から先進文化を取り入れ、文化にこだわる特質があるという。稲作や製鉄技術、古墳の早期導入、備前焼や日本刀の高い品質、宗教者の輩出などを挙げて、岡山県人の資質の優秀さを礼賛しすぎるのは、どうも……。一歩間違えば、トランプ米大統領の「アメリカ第一主義」のような、排他的な「岡山第一主義」になりかねない。自国の社会や経済の建直しを最優先し、国際的問題への関与を控えて移民を排除し、「パリ協定」から離脱しても平気のようだ。岡山県人も優れたところがあるが、そうでもないところもある、ということだ。
5月×日
地元紙によると、岡山県内の高校の出身者が高校や大学を卒業して就職する際、同学年の3割に当たる5千人程度が県外に流出しているという。3人に一人が県外流出は少ないようにも思うが、一昔前はもっと多かったはず。自分のことを思うと、大都会では暮らしていける自信がなく、岡山ぐらいの規模がよいと考えたように思う。あれから約40年。他の都市を選んでいたら、違う人生だったかもしれないが、岡山を選択したことに後悔はない。若い人にとってどんな雇用があるかが重要だろうが、UターンもIターンも大歓迎。暮らすなら、岡山をお勧めする。
5月×日
岡山県が母子健康手帳交付時に妊婦に渡している冊子『育て応援Book(パパ編、グランパ&グランマ編)』。この冊子に小社の『新版 孫育ての時間』のからの引用が多く、著作権違反の疑いが! 本書は産婦人科、小児科医、助産師、看護師らが執筆したもの。著者の一人から、この冊子は本書からの引用が多く、参考文献にも挙げていないとの指摘があった。内容を検証したところ、文章が酷似し、要約しながら文章をつくっているところが数カ所。県の担当課に確認したところ、「参考にした」と。ネットで公開している冊子と増刷時に、参考文献として記載するとのこと。
5月×日
最近の朝は、公園にジョギングで行ってラジオ体操に参加。早朝でも暖かく、Tシャツでもちょっと入れば汗ばむ。マラソンのエントリーが決まれば、ジョギングの距離を伸ばす気のもなるのだが、まだそんな気にもなれない。おかやまマラソンの「岡山市民県民優先枠」の「落選」の通知がメールで届く。競争率は5倍を超えていたらしい。自動的に「一般枠」扱いになってまた抽選されるそうだ。発表は6月20日に届く。毎年応募者が増えているから、どうなることやら。当選したら、半年間の本番に向けた練習を背負い込むことになるが、くたびれているシューズを新調するかな。
5月×日
若い頃からカメラが趣味で、昭和30年代に住んでいる街の風景や子供たちの様子を撮っていた方から写真集の話をいただき、ご自宅へ。昭和の遊びをしている子どもたちが写り、自分の子ども時代の写真を見てるようだ。写真を整理しキャプションなども書き、順番など考えておられた。5年前、愛知県の出版社の『岡山市今昔写真集』(定価9,990円)を制作するときに写真を借りた方でもある。当時、この高額写真集の販売を前に、地元の教科書販売取次が協力して予約をとり、良い結果が出していた。地元の書店に寄って予約販売を相談するが、「もうよう売りません」と。
5月×日
「共謀罪(組織犯罪処罰法改正案)」を衆院委で強行採決。「安倍一強」を背景に数の力で押し切る強引さは、国民のことは眼中になく、身内のことしか考えていないようだ。1925年の治安維持法と、今回の共謀罪の政府与党の説明が似ていることも話題になっている。施行になってから、警察が現場で拡大解釈し、市民が締めつけられて行くのは治安維持法施行後を見ると明らか。驕っている証拠に、強行採決は常套手段になった。民主主義は説明に手間を要しても、丁寧に説明して話し合い、理解を求めることが必要。このまま強引に進める先に、何が待っているのか。
5月×日
NHK「ブラタモリ」の6月3日(土)午後7時30分〜は、「倉敷 〜なぜ美しい町並みが倉敷に?〜」が放送される。倉敷市歴史資料編纂室に寄ったら、山本室長が教えてくれた。番組ディレクターが毎日電話をしてきたそうだ。山本室長らが執筆の『絵図で歩く倉敷のまち』が番組のネタ本になっているとのこと。番組の中でも山本室長が案内役で登場する。小社の著者でもう一人、『鉄道遺産を歩く』の著者・小西伸彦氏(吉備国際大学准教授)も出演する。近代化遺産の専門家として、美観地区の建物の説明をするそうだ。さてどんな倉敷紹介の番組になるのか。必見!
NHK「ブラタモリ」の6月3日(土)午後7時30分〜は、「倉敷 〜なぜ美しい町並みが倉敷に?〜」が放送される。倉敷市歴史資料編纂室に寄ったら、山本室長が教えてくれた。番組ディレクターが毎日電話をしてきたそうだ。山本室長らが執筆の『絵図で歩く倉敷のまち』が番組のネタ本になっているとのこと。番組の中でも山本室長が案内役で登場する。小社の著者でもう一人、『鉄道遺産を歩く』の著者・小西伸彦氏(吉備国際大学准教授)も出演する。近代化遺産の専門家として、美観地区の建物の説明をするそうだ。さてどんな倉敷紹介の番組になるのか。必見!
5月×日
昭和時代の喫茶店は、純喫茶と名のる店が多かった。今ではほとんど見なった。書店の昭和時代は、書籍と雑誌、文具を売る独立した店が多かった。次第に郊外にできたスーパーマーケットの店舗として書店が入るようになった。最近のスーパーマーケット内の書店は、雑誌と文具、話題の新刊書籍だけしか扱わなくなってきた。先日、T取次店から、天満屋系列の書店には配本を止めてくれと連絡があった。バイヤーからの要請らしい。これで県内の配本書店は約100店舗と言ってきたが、実際は80店舗程度になる。
5月×日
昨年6月にイギリスでEU離脱の是非を問う国民投票が実施され、脱退が決まった。11月に就実大学で元駐日英国大使のデイビッド・ウォレン卿や福地慶太氏(日本銀行岡山支店長)らを招いてグローカル・フォーラムがあった。講演の内容を書籍化するため、テープ起こし原稿を担当教授に渡して数ヶ月。先日、フランス大統領選挙で、親EU・親グローバリズムのマクロン氏が当選。反EUのルペン氏が当選していたら…。「国際情勢は刻々と変化していくので、早く出しましょう」と催促。やっと動くことに。
5月×日
県北の印刷所から出版相談があった。旧市街にあるその印刷所は、細長い工場の裏が自宅。先代から引き継ぎ、ご夫婦だけで従業員はいない。土曜日も日曜日もなく、正月に休む程度と言う。最近は働き方改革とかで、働かないようにするのが流行だが、小規模の自営業はそうはいかない。仕事の依頼があるきは無理にでも引き受け、労働時間など関係なしでこなしていく。「断ると次の仕事がなくなるから」と低価格でも引き受けていくようだ。労働環境の悪循環からの脱却ができればいいのだが…。
5月×日
NHK総合テレビ『ブラタモリ』。視聴率がよく、新シリーズは地方の町に出向いて紹介している。6月の最初の週は「倉敷」が取り上げられる。ロケまでは秘密だったらしいが、ロケ終了後に解禁になったらしく、案内役で番組に登場する方から「倉敷が紹介されるよ」と教えてくれた。この方は『絵図で歩く倉敷のまち』の執筆者の一人。NHKディレイターが、この方に毎日のように電話をきてきていたそうだ。『絵図で歩く倉敷…』は、ディレイターも参考にした「ネタ本」ということらしい。
5月×日
コンペに盛り込む企画や、講演会の講師の相談などが続いた。相談されるということは、吉備人のブランドがそれなりのイメージをつくっているのだろう。できるだけ全力で応えるようにしている。今、悩ましく思っているのが、古代史の講演会の相談。講師のラインナップを考えてみるとしたものの、その講師にどこをポイントに話してもらうか、打ち合わせをしなければ本当に話をしてくれるかどうか分からない。机上で講師の組み合わせは簡単だが、一人ひとりに会って交渉していかないと難しいのよね。
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
方谷研究会。
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