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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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 今月、桜の開花前に強い風が一日中吹いた。気象解説によると、「爆弾低気圧」が急に発達したことが原因だったそうだ。南からの温かい空気と北の強い寒気がぶつかり、温かい空気の上昇気流が起きて、台風に似た構造になって風が吹き荒れたということだ。「爆弾低気圧」とは、すごい名前。実際、この強い風が吹き荒れた日、特に東日本では死者がでたほどで、農産物や住宅にも大きな被害があった。

 強風被害といえば、岡山県では鳥取県境の奈義町で発生する「広戸風」がある。北風が那岐山を超えて南麓に強く吹き降ろす風のことで、この地域の古い家の北には防風林がある。日本海側から強い北風があると、那岐山の北の日本海側の地形がV字の谷になっていて風が集まり、台風や発達した温帯低気圧が太平洋の特定のエリアを通過する時に発生することが分かっている。「日本三大局地風」の一つだそうだ。ほかの2つの局地風と広戸風発生のメカニズムの詳細は、新刊『岡山の「災害」を科学する』(岡山理科大学「岡山学」研究会)に載っている。

 ちなみに、本書でも執筆している気象学の大橋准教授のグループは、岡山県高梁市や広島県三次市の盆地で気象データを集め、霧の発生を予測することができるようになったと発表していた(4月8日山陽新聞)。日没時の地表の温度や湿度、放射冷却の強弱のデータを計算式に入れるのだそうだ。

 雲海が見えるのは楽しみになるが、自然災害はとんでのない被害をもたらす。四国沖で起こると予測されている南海地震の最大震度や津波の高さが発表になっていた。岡山市や倉敷市では震度6強。津波は瀬戸内海沿岸では軒並み3メートルを超えるそうだ。『岡山の「災害」を科学する』には、岡山県南部の地下構造を計測してそのCG画像を掲載している。地盤まで最も深いのは、藤田6区あたりで270メートルという。液状化が心配される干拓地は地震も津波も要注意だ。

 災害は必ず起こると考えて備えておいた方がいい。爆弾低気圧は起こった。爆弾地震や爆弾津波、爆弾豪雨、爆弾洪水、爆弾暴風、爆弾地震なども想定をしておこう!
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 岡山県観光連盟では昨年秋の4カ月間、岡山県の観光に関する「I Love おかやま」のアンケートをとり、集計結果を発表した。http://www.okayama-kanko.jp/ilove/ 
 アンケートは、「観光スポット」「特産品」「歴史文化遺産」「伝統行事」「その他」の5部門で好きなものとその理由を問っている。
 「観光スポット」部門では、1位「後楽園」、2位「美観地区」、3位「蒜山高原」、4位「津山城・鶴山公園」、5位「岡山城」となって目新しさはない。注目できるのは「津山ホルモンうどん」や「ひるぜん焼きそば」といったB級グルメがベスト10に入っていることぐらい。「伝統行事」部門の1位は「うらじゃ」だ。始まって20年近くなると、若い世代には「伝統行事」というわけだ。
 「その他」部門では「晴れの国、晴れの日が多い」が1位。平成になって取り組んだ「晴れの国岡山」のイメージ戦略は20年を超え、岡山のイメージアップに成功している。それ以前にあった「燃えろ!岡山(県民運動)」のキャッチフレーズは不評だった。「燃えろ!岡山」は、燃えない県民性が不満だった某元知事が考えたとかと言われ、当時「放火魔」を刺激するなどと揶揄する人もいた。
 アンケート結果を年齢別の80歳以上で見ると、4位「アツケシソウ」、7位「石造毘沙門天立像」と何だか分からないものもランキングされている。ちなみに「アツケシソウ」は、寄島干拓地や錦海塩田跡地など塩分のある土地に自生する植物らしい。これらマニアックなこだわりが素晴らしく、高齢者の声にもっと耳を傾けよう。
 ちなみに私の「観光スポット」ベスト3は、造山古墳墳頂(畿内の巨大古墳は立ち入り禁止)、羽柴秀吉が陣を置いた石井山(日本史を体感)、蒜山山頂(焼そばより眺望)。
「伝統行事」のベスト3は、「国司神社の赤米神饌」「総社の義民祭」「備中神楽」。
「特産品」では「桃」と「ぶどう」は別格で、それに続くのは「サワラのみそ焼き(割烹の焼きたてのもの)」「牛窓のすいか」「勝英地域栽培の黒豆を炒った菓子」。あなたの「I Love おかやま」は?
 岡山県は、瀬戸内の温暖な気候で雨が少ない「晴れの国」。北の中国山地と南の四国山地に挟まれ、台風などは岡山県を避けて通るほどで、災害の少ない住みやすい県。岡山県にはなんとなくそんなイメージがあって、そう思い込んでいる人が多い。長い間、「安全神話」に浸っていると、いざという時にたいへんなことになる。最近、多くの犠牲者を出して学んだばかりだ。ときには疑って考えてみることも必要だ。

 例えば、岡山県に最も近い、紀伊半島から四国沖の巨大な地盤が動く東南海・南海地震は、30年以内に60%以上の確率で発生すると発表になっている。4年以内に70%以上の確率で発生するという首都圏の大地震に比べると確率は低いが、「起こる」ことには違いない。岡山の沖積平野は地盤が弱く、特に南部の干拓地は液状化で家屋倒壊の危険がある。実際、戦後すぐに発生した「昭和南海地震」では県南を中心に1200棟が全壊している。昭和南海地震のことはあまり知られていないが、最近、理科大の学生がこの地震を体験したお年寄りに聞き取り調査をして報告書を出している。

 また、夏のゲリラ豪雨が近年よく発生する。これによって土砂崩れや河川が氾濫して災害となる。岡山県は花崗岩地帯が県下全域に分布し、もろくなった地盤があってこれが土砂崩れを引き起こすそうだ。8年前には、玉野市宇野で台風による大雨で死者5人を出す大きな土砂災害が起こっている。大地震や土砂崩れ、河川氾濫、豪雨、暴風、大津波など、何がどこで起こる分からない。

新刊『岡山の「災害」を科学する』(岡山理科大学「岡山学」研究会)では、岡山平野の地下の基盤構造を計測した地震学の専門家、地質の専門家、河川氾濫の防災を業務とする国交省岡山河川事務所の方、土砂災害と道路の交通規制を研究している土木の専門の方などが、岡山の災害と防災を分かりやすく解説している。また、気象学から県北の奈義町で発生する「広戸風」のメカニズムや、民俗学から水害を後世に伝えてきた石碑や民間伝承の報告も興味深い。

 「岡山が安全な県」というのは幻想。災害の起こる頻度が他県に比べて少し低いだけで、災害は必ず起こるものと考えた方がよいようだ。起こるということは、自分の周辺で起こるかもしれないということだ。本書で岡山県の災害について基礎知識を持ち、防災のための「備え」をしておきたい。
 1年前、3・11の震災を報道する映像はほんとに怖かった。家や車を飲み込む大津波の映像は衝撃的で、あの中に人がいると思うとゾッとした。福島原発の事故も悲惨だった。日本はもうダメになると本気で思っていた。そのころ、岡山から福島県内に仕事に行っていた人から、「機材を残して引き上げて来た。置いて来た機材は取りに引き返せないだろう(放射能レベルが高くて)」とか、「皇室の方は京都に移動したらしい」とかの話を直接聞いた。半信半疑だったが、錯綜する情報を確かめようもなかった。水素爆発でボロボロになった福島原発の建屋の上からヘリコプターで放水するころが一番怖かった。1機の原発が暴発すればその熱で3機の炉心が溶解し、4基分のウラン燃料が高熱と放射能をまき散らすと、素人なりに最悪の惨状を勝手に想像して恐れていた。

 この3月初旬の新聞報道に、福島第一原発4号機が大惨事に至らなかったのは、偶然が重なったためとあった。記事の内容はこうだ。当時、4号機は使用済み核燃料を原子炉の外に出して貯蔵用プールに移しており、その状態で電源が止まり冷やせなくなっていた。そのままだと水が蒸発して燃料棒がむき出しになって放射線と放射能物質を出して、周辺にある原発も放棄せざるを得なくなり、首都圏の住民も避難しなければならない事態になっていたというのだ。これを救ったのが補修器具の設計ミスや、貯蔵プール水位が蒸発で低下しているところに水を仕切る壁が偶然ズレていて隣にあったプールの水が流れ込んだことらしい。アメリカもこの4号機が最悪の事態になる引き金になると考えていたそうだ。1年前に恐怖を感じたことは、まんざらの妄想でなかったのだ。いったんは杞憂だったと思っていたが、実は首都圏の人まで避難することになりかねない事態だったらしい。(朝日新聞3月8日1面)

 福島原発事故が起きて、確かにいろんなことが分かってきた。例えば、日本には54基も原発があること。政府とほぼ独占状態の電力会社と御用学者が一緒なり、莫大な原発マネー(税金)を使って造ってきたこと。原発を動かすことで出る放射性廃棄物の処理方法は何も決まっていないのに、増え続けていること。何世代にもわたって解決できない問題を先送りするしかないこと。政府と電力会社と御用学者と誘致した地元の政財界は、癒着しまくっていること。原発のほとんどが止まっても、電気の供給に大きな問題はないこと。彼らにとってマズい情報はごまかして隠してしまうことも…。そして福島原発では放射能の汚染水が溜まり続け、4号機の貯蔵プールにヒビでも入って水漏れが始まると再び危険な状態になることも。

 山に家電を捨てて自然を汚しても、川に廃液を流して魚を死なせても犯人は罰せられる。放射性物質をまき大量に散らす大事故を起こして、責任をとる人がいないのはおかしい。土地と財産を奪われた多くの人が苦しんでいるというのに、普通の市民の感覚なら再稼働するなどとんでもないことだと思う。原発はもうやめてほしい。
「そうじゃ吉備路マラソン」が終わって、シーズンオフに入ったような気分になっている。次の大会にエントリーする予定はないし、普段のジョギングもだれ気味だ。目標を決め、それに集中して取り組まないとなかなか身が入らない。
マラソンは人生によく例えられるが、その通り。レース中に苦しい時は何度もやってくるが、それを乗り越えていけば必ずゴールはやってくる。次のレースという目標が決まっていないとついだらだらと走ってしまうが、決まっていると、練習コースに坂道を取り入れ、スピードに緩急をつけるなど前向きに取り組めることができる。練習中に心配事があると、なぜか足が止まって走れなくなってしまう。苦しくなって止まってしまうと、ゆっくり走っている選手にも抜かれてしまい、気がつくとかなりの遅れをとることになるので、止まらずに自分のペースで走り続けることが大事である。等々、マラソンから学ぶことは多い。それに、ある程度走り込むと自分のペースでいくらでも走れるようになり、走っていることを忘れてしまうほど無我の境地になっていることがある。「マラソンは座禅」なのである。
などと言って高尚ぶっても、実は頭の中は煩悩でいっぱいだ。
だいたい走る時にはイヤホンで音楽を聴いている。「ながら族」だから「マラソン道」は追求できないし、していない。大会の雰囲気を楽しむのが一番で、無理をせず、タイムは成り行き。レース中、追い越す目標を少し前で走る女性にする。この目標はオッサンではだめだ。オッサンは臭いし、急にツバをはく。汚いオッサンの後ろは避け、自分より後ろに置いて、追いつかれないよう早く走る。(周囲に誰もいなくなって走っている時に臭いと思ったら、自分のニオイだった)。レースの途中の水分の補給はもちろん、バナナなど食料品の配りものは必ずいただくことにしている。
ジョギングは普段のトレーニングが大事。楽しくスポーツを続けて、健康を維持する。これからもジョギングで一石二鳥を追求したい。
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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