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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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1週刊分のほぼ140字日記・3月の2
3月×日
朝、著者から「車が縁石に乗り上げて動かなくなった」「ジャッキとロープを持っていないか?」との電話があった。銀行に寄って小社に向かおうとしての矢先だったらしい。現場は街中のため、自転車で駆けつけた。車の下にジャッキをかまして持ち上げ、私がフロント部を押しながら著者がバックをすること数回、少しずつ後ろにさがり抜け出ることができた。ただ、バックの勢い余って、花屋が置いていた鉢にぶつかり壊してしまった。後ろに人がいたら大事になっていたかもしれないと思うと、ゾッとする。車が動かなくなったら、JAFに来てもらおう。
3月×日
2階にある事務所の上、3階と4階で改装工事をしている。改修が始まったころは畳や木材などを運び出していたが、今週はハツリ機と呼ばれる粉砕機で、コンクリートはがしているらしい。この音と振動が大型の機関銃を天井にブチ打ち込まれているような爆音で、ひどい時には話もできない。スケルトン工事という内装や設備機器などをすべて取り替える大規模な改築のようだ。廃棄物は小さくして一輪車に積んでエレベーターで運び出している。一度あまりうるさいので、図書館に移動したことがある。耐えるしかないのだが、いつまで続くのだろう。
3月×日
2月に受験していた「晴れの国おかやま検定」(岡山商工会議所・岡山県主催)の発表があった。90点以上あったようで、「晴れの国の達人」の認定通知と一緒に、認定証カードやバッジ、ステッカーが届いた。数日遅れて、岡山県立博物館の「1年間入館料無料カード」も送付されてきた。受験料が1000円だからか、認定証カードがしょぼい。バッジもジャケットの襟につけるには恥ずかしい。いっそ缶バッジなどのカジュアルなものがよいのでは。とはいえ、『[新版]晴れの国おかやま検定・公式参考書』の担当をしていたので、合格してホッと。これからは「達人の金澤」と呼んで!
3月×日
倉敷市酒津にある高梁川東西用水組合で、井堰の資料を探る。高梁川は、かつて酒津辺りで分岐し、西と東の2本の流れがあったが、大正14年に大改修して西の高梁川が本流となり、東は廃川となった。廃川の堤防には水島臨海鉄道が走り、河口部は水島市街地になった。昭和14年の干ばつが契機となって上流に小阪部ダムが造られ、酒津に合同堰が築かれた。現在もこの合同堰から南東方面に8本の用水が流れ、水島臨海工業地帯の工業用水に使われ、遠くは早島や茶屋町の農業用水としても使われている。高校時代は毎日高梁川を渡っていたのだが、当時は何も知らなかった。
3月×日
BSプレミアムのテレビ番組「英雄たちの選択」で「“奇跡”の藩政改革者 山田方谷 無血開城に挑む」の放送があった。山田方谷を大河ドラマにと署名運動を展開している団体からも、NHKが山田方谷を取り上げるということで関係者の間で話題になっていた。小社にも番組ディレクターから電話があり、例の「10万両の蓄財問題」の書籍を送っておいた。放送内容は財政再建だけを取り上げるだけでなく、教育者としての人間・方谷にもスポットを当てていたようだ。司会は磯田道史氏、ゲストにあさのあつこ氏とやけに岡山色の強い番組になっていた。
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3月×日
この時期は新年度に向けて、学校の教科書を扱う取次店や書店が忙しい。小社でも教科書採用の書籍が数種類あり、取次店から注文があった。その一つ『子どもの自己実現とその支援』は品切れになっていたので、このタイミングで増刷した。初版は2000年だから、今年で18年間も教科書として使われきており、今回の増部は11刷目。累計は1万部を超える。著者は複数の大学や専門学校などで講師をしていたが、高齢になるに従って「来年度は延長されるかどうか分からない」という段階になっていた。著者と相談しながら、春からの採用が決まってから増部と部数を決定した。
3月×日
書籍にする前のゲラ刷り(校正刷り)前、著者から持ち込まれたワープロ原稿を読んで、震えるほど深く響いてきた。昨年に一部の原稿を渡されていたが、先日、完全版を受け取っていたので通して読んでみた。江戸時代の人が書いた古文書の解題で、A4の用紙に20枚ほどの分量。著者は、古文書の著者が執筆しなければならなかった心情に分け入り、その人を取り巻く背景も探る。古文書の著者が職人として追い求めた世界も深いが、その古文書を入手しそれまでに培った経験と好奇心で探った解説も興味深い。ワープロ原稿の段階で、これほど感銘を受けたことはない。
3月×日
版元ドットコムを通して電子書籍を作成した出版社が、共同で数百冊をパッケージにして電子図書館に販売する話を進めてくれている。現在、全国に電子図書館は55館ほどあり、電子図書館の取次店を通して当面は10館程度から進めていくということだ。1館が1万円になれば年間12万円が見込まれ、それが10館なら120万円ということになり、それを参加の出版社で分配するという計画という。実際どうなるかは不透明。電子図書館で電子書籍を利用したことなどないから、実感がまったくない。電子書籍は牛の歩みながらも前に進んでいるようだ。
3月×日
野外に置いているた彫刻を撮影して写真集として発刊する。彫刻の作者は、著者の亡くなった夫。作品の写真は撮ったままだと背景が映り込んで、作品が引き立たない。そのため著者はカメラマンに背景の消去を頼み、数日をかけて二人でモニターを見ながら約100点を処理してきた。作品はコンクリートであるため重量があり、スタジオに持ち込むわけにはいかなかった。処理後の写真は作品が浮き上がり、加工の後が残るが、著者の意図に沿っている。著者は彫刻家の夫が亡くなってから、彫刻公園の整備と写真集の刊行が念願だった。今回の写真集は、著者の意向に沿いながらの本づくりを進めている。
3月×日
高齢の方のところにゲラを届けて新しい原稿を受け取りに行くが、原稿はもらえないまま帰る。机の周辺には、原稿は数本を書きかけたまま。完成品はない。書きたい意欲は旺盛だが、忙しくて思うように書けないと言う。取りかかっては途中で次のことを思い出し、そっちに取りかかり、次々に次のものに取りかかる…。老いてくると、記憶やひらめきの能力や、見たり聞いたりの身体機能が衰え、集中力がなくなってくる。結局、完成品ができないまま、途中段階のモノが増えてくる。この傾向、初老の自分にもないことはないゾ。初老って何歳から?
工事中
2月×日
昨日は「そうじゃ吉備路マラソン」。今年で10年目になり、参加者は過去最多の2万人を超えたそうだ。私もこれまでフルマラソンやハーフマラソンを走り、最近の数年は10キロコースを走っている。今年は右足ふくらはぎに痛みが残っていたが、タイムは1時間を切ることができた。10周年記念で、ゲストランナーにタレント間寛平さん、招待選手に五輪男子マラソン2大会連続メダリストのエリック・ワイナイナさんらが招かれていた。そのせいか、今年の記念品タオルがチープになっていたのが気になった。
2月×日
決算期の最終月の2日間の棚卸し。オフィスの隣部屋の書庫にフルスタッフが、書籍数を記入できる用紙を閉じたボードを持ち込み、棚の列ごとに担当を決め数を数えていく。棚の上から下へ、時には脚立を使って棚の上を。その度に、昨日のマラソンで足に筋肉痛が走る。この筋肉の痛みと寝不足のせいで、スピードが上がらない。それでも、棚を整えた後を見ると整然と並んでいて気持ちいい。リレーショナルデータベースで在庫数を管理できるようになっても、棚卸しは書籍を整理整頓できる効果が大きい。
2月×日
平昌オリンピックが終わった。フィギアスケートやスピードスケート、ハーフパイプ、カーリングなどハイレベルの競技中継に、見入ってしまうことも多かった。リアルタイムで事務所内のテレビで見た競技もある。メダリストたちの取材記事は感動的なものも多い。トップを極める選手には、優れた人格が宿るのだろうか。それにしても東京マラソンで日本新記録を出した選手に1億円の報奨金が贈られるという。1億円もらうと普通の人なら堕落してしまうはず。この選手の行く末を注目し、人格を見届けたい。そだね〜。
2月×日
事務所の隣に建設中だったマンションが完成した。1階の前面を整備していたと思ったら、この日は室内の見学会を実施しているようで、10人ほどの見学者を連れて内部に入って行った。これで隣ビルの解体と新築の工事は終わった。続いて、来週から事務所ビルの2階と3階で、半年ほどのリニューアル工事に入るという。取り残されている格好になっている小社では、室内の模様替えをするという。新築のようなとは言わないが、「新築そっくりさん」並みの大胆な模様替えをしたい。
3月×日
小社のホームページが3月からリニューアル。サーバも変更し、これまでのデザインを大幅に変えて新しくなった。画像も大きくなり、文字も読みやすい。朝はリンクなどがつながらず、正常に機能するようになるのは午後になってからだった。理由は「浸透」に時間がかかるという。スイッチをオンにすると電気がパッとつくイメージだったのだが、ジワっと染み込んで行くのだろうか。若手スタッフが午前中をかけて全員のメール変更の設定をしてくれ、送受信が可能に。デジタル難民になるところだった。
2月×日
両備HD会長にアポイントを取るべく打診していたところ、急きょ取材がキャンセルになったとかで、この日に秘書室の方と会うことに。会長は、運輸局がバス事業の競合社に新路線を認可したことに憤慨し、31路線の廃止届を中国運輸局に提出して公共交通を守るための問題提起をしたようだ。秘書課の方によると、「会長があんなに怒ったことはないのでは」という。当面は小社の提案事どころではないようだ。既に、国交省が他業者に路線開設を認可しているので、この問題がどう決着するか注目したいところ。
2月×日
そうじゃ吉備路マラソンは今週末。昨年より速いタイムを出したいと思っていたが、今年になってあまりに寒くて朝の外出が億劫になり、トレーニング不足は自認していた。そのため、速くはしるトレーニングをしておこうと、この日、スピードを上げて走ったところ、右足のふくらはぎに軽い肉離れのような痛みがはしる。この怪我は練習不足が原因であることは明らか。大会まで練習は痛みが治るようにスロージョギング程度にして、当日は完走だけを目指すことにしよう。
2月×日
宝福寺行く。駐車場の脇には柱にくくられた少年・雪舟の像。雪舟は総社市赤浜に生誕地があり、宝福寺で少年時代を過ごした。地元の逸話はここまで。その後、雪舟は京都の寺で絵の修行をし、周防国(山口県)の大名・大内氏招かれ、遣明使として中国へ渡って絵の腕を磨いた。その後の絵は傑作が多く、現在6点が国宝になっている。個人で国宝6点の保持者は他にはおらず、日本美術界の巨匠と言える人物。この人を育てたのは宝福寺での少年時代があったからこそ。もっと雪舟を前面に出してもよいのでは。
2月×日
製本に置いてもらっている書籍数の調査。長年置いている書籍の上にはかなりのホコリが積もっている。包装紙に書籍名を書いている文字が、ホコリを払わないと見えなくなっているものも。小社専用の棚がいっぱいになり、最近の書籍はフォークリフトで移動できるようにパレットに載せてラップを巻き、工場の隅に置かれている。作業着に手袋、マスクは必須。書籍保存のために日当たりは悪く、機械音も激しい。昨年は一人で辛かったが、今年は二人だったため救われた。
2月×日
午前中、岡山市教委が発掘している金蔵山古墳の現地説明会に出向く。金蔵山古墳は岡山県内第4位の大型前方後円墳。4世紀末ごろに造られ、築造当時は中四国・九州で最大とされている。副葬品に鉄器が多く、大陸から鉄の入手ルートを持っていた首長だったのではと思われる。鉄器などは倉敷考古館に展示されている。今回の説明会の中心は、古墳の脇に葺石がされていた島状の遺構。多くの埴輪の破片が見つかっている。この遺構が何のためのものかまだ不明。古代はミステリー。
2月×日
わが家にの子供二人がインフルエンザに。私も既に保菌者になっている可能性は高い。発病は時間の問題と思うと、体調が悪いような気がしてくる。事務所内にも立ち寄れず、ゲラの修正作業が滞っているので焦る。そこで井笠方面の書店に向かう。時間があったので、かねてから確認したいと思っていた浪形石を見に千手院に寄る。この千手院は山の中腹にある寺院で、裏庭に浪形石の壁面が露出している。浪形石とは貝類の化石をはじめサメの歯なども混じる石灰岩のこと。ここから掘り出した石を使った古墳の石棺が、こうもり塚古墳など吉備には5例ある。
2月×日
岡山県出身の総理大臣は3人。そのうちの一人、犬養毅を生涯を小説でまとめた『恕の人 犬養毅』を刊行。著者の今西宏康氏は、岡山の地方創生に一石を投じるためと執筆を思い立ったそうだ。確かに犬養毅は、国粋主義の政治結社を創設した平沼騏一郎とは違って、憲政を重視して軍閥や財閥の批判をしたリベラル派。それゆえ、軍部の反発を招き、総理大臣になって官邸で青年将校に暗殺される。それ以降は戦時体制が固められ、悲惨なあの戦争に突き進んでいくことになる。「話せばわかる」で有名だが、どんな生き方をしたか、今、大いに見直されてよい人物だ。
2月×日
ニール・ヤングが、トランプ米大統領を批判したアルバムを出して話題になっている。デビューしてから50年以上。プロテストソングは今回がはじめてではないが、やってくれる。もはや72歳のニール・ヤングは無敵。CDは50枚を超え、CSN&Yなどを加えたらすごいことになる。私も数枚はレコードでも持っている。この人の特徴はアコースティックとエレキを交互にやること。エレキサウンドを聞き込むとアコースティックサウンドが聴きたくなり、その反対にもなる。風貌は怖いが、好きな曲も多く、時々聴きたくなるミュージシャンの一人。
2月×日
地方小・出版流通センター通信によると、2000年代に入ってから出版社の廃業が増えているという。書店だけではないのだ。書籍・雑誌の販売不振ということもあるのだろうが、直接の原因は出版主体の高齢化ということらしい。創業社長が高齢化して後継者もなく続けられなくなるということだ。小社も人ごとではない。25年前に創業して当時のメンバーは25年加齢した。3、4年目に若手が入社して平均年齢を下げてくれたが、毎年1年ずつ加齢されている。現在の業態がいつまで続けられるのか、永続するには時代に即した変化が必要。次の世代に渡せる業態はどんなものか模索は続く。
2月×日
直書店2店舗の在庫調査をする。1店はほぼ1年ぶり、訪問してちょっと驚く。店舗面積を半分にしていた。その半分の4分の1はカフェスペース。フロアに数個の机が置かれ、その上では雑貨類を販売。レジ周辺には自然系の食料品も販売。壁面には雑誌とコミック。「書籍はインターネットで注文下さい」と、はり紙があった。まだ試行錯誤中とのことで、小社の本はバックヤードにあった。棚の1段分のスペースに小社の書籍を並べる予定という。もう1店は冬でも店頭をフルオープンにして、暖房なしの書店。お客さんの滞在時間も短いのでは。
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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