12月×日
今回の「おかやま検定」の受験申込者数は、個人は357人、団体244人だった。600人を超えて、601人。関係者もホッとしていた。「晴れの国岡山検定」と改称してから4年目。これまでの3年間は600人をクリアし、700人を超えたこともある。ところが今年は、申し込みが始まっても受験者数が伸びないうえ、団体受験の問い合わせが例年に比べて少ないと、落ち込みを心配していた。私も何とかしなければと、思わず受験料を振り込んでしまった。600人を超えて、601人目は私だったというわけで、600人越えに貢献できてよかった。これから受験勉強を始めることにしよう。
12月×日
「年末までには作りたい」と90歳を超える著者の要望のあった私家本『思い出すままに』随想録第2集を自宅に送った。週に2回高齢者のための福祉施設に通う著者は、学生時代や戦争体験のこと、家や村のこと、議員として活躍していたこと、妻との旅行のこと、文字通り思い出すままに書き綴ったエッセイ集の2冊目(236頁)をまとめた。年末に施設に来る知り合いに配り、正月には親族に披露したいというのが、年末までに作りたい利用だったようだ。オンデマンド印刷で数部を納品。同時並行で第3集と第4集も制作中。この制作意欲に敬服。
12月×日
今年は、ドナルド・トランプ米大統領、金正恩北朝鮮労働党委員長、安倍晋三日本内閣総理大臣の三羽烏で明け暮れた。3人とも自分ファーストで、他人(弱者)の迷惑など省みない。日本と世界の未来を一層不安にしてくれた。戦争に向かう怖さをはらみながら、この情勢不安は来年も続きそう。一方、国内経済ではアベノミクス以降、金融緩和してもマネーストックが増えないままで実質賃金が上がらず、実質民間消費は下落し、景気回復の経済効果は出てないままの1年だった。むしろ金融緩和による株価暴落のリスクを含み始め、先の不透明は増していく状況だ。
12月×日
出版業界の今年は、市場規模が去年と比べて約1000億円少ない1兆3700億円となり、市場規模がピークだった1996年の半分ほどに縮小したそうだ。書籍の売り上げは去年に比べて3%ほど減少。雑誌は十数%と初めて2桁減少。電子出版の市場は拡大を続け、電子書籍で約10%、電子コミックで約20%増加予測。そんな中で小社を分析しなければと思いながら、日常業務の忙しさにかまけて曖昧になる。そこが問題とも言えるが、とにかく1年を皆様のお世話になりながら過ごすことができたことに感謝。来年は戌年。ワンダフルでケンメイな1年にしたいもの。皆様もよいお年を。
12月×日
「おかやま検定」の公式参考書を発売し、受験の申し込みも始まってから、時々問い合わせが入る。ちょっと前には、この参考書の中に古武道竹内流のことを載せてほしいという要望もあった。竹内流は、500年前から続く、日本柔道の源流になる古武道で、岡山県民が誇るべき古武道であるため、岡山県民に広く知ってもらいたいということだった。また、過去の受験問題の間違いを指摘する電話もあった。受験モードの方で、過去問題を解くだけではなく、問題の背景も調べているようだった。「おかやま検定」を契機に岡山のことを知ったり考えたりする人が増えるのは大歓迎。
12月×日
毎年12月、倉敷市文化振興財団から「文芸くらしき」の制作見積もりの依頼が来る。コンペだが、通常の積算で作成した見積書を提出した。コンペに負けた業者には、勝った業者の金額が知らされるので、昨年負けている小社は相手の金額を知っている。勝とうと思えば、前年の相手業者より安い金額で出せば勝てる。すると価格競争の果ての消耗戦に突入する。しかし、勝ち負けをするたびに出版社が変わり、同じタイトルの定期刊行物が年度によって違う出版社から刊行される。それは問題と、発注者に気付いてほしいもの。行政の公正と取次店と書店、読者の利便性と、どちらを優先すべき?
12月×日
今年の3冊。1冊目は『戦争の日本古代史——好太王碑、白村江から刀伊の入寇まで——』(倉本一宏)。鬼ノ城築城の背景となる東アジアの状況を、広い視野で解説している。2冊目は『暗い時代の人々』森まゆみ。時代に迎合せず自分を貫いた人の生きざまを紹介している8人のうち、岡山ゆかりの九津見房子、竹久夢二、山川菊栄の3人を取り上げている。3冊目は『アベノミクスによろしく』(明石順平)。『商店街はなぜ滅びるのか——社会・政治・経済史から探る再生の道——』(新 雅史)と連続して読み、経済も視点を変えれば面白い。というか、『アベノミクスによろしく』の内容は怖い。
12月×日
昭和に撮影した写真で、写真集を作る話が持ち込まれて、写真の順番や大きさを考えた全体構成を提案していた。子供などを撮った写真は作品性が高く、よい写真は大きくして大小の変化をつけていた。著者は、「写真の大きさは変えずに時系列に並べたい」という。それでは写真集というより、単なるアルバムになる。この日の話し合いで分かったのは、著者は写っている人がどこの誰か分かるので、特定の人だけの写真を特別に大きくできないし、同じ人の成長が分かるように時系列にしたいということ。著者の意向に沿うが、どの写真も均一に扱うのは「もったいないなあ」と今も思っている。
12月×日
天皇誕生日の祝日は毎年、「山陽女子ロードレース大会」が開催され、道路が通行制限になる。今年は市街地を早朝から抜け出して、新見市千屋の「いぶきの里スキー場」へ。小学生が「スキーを習いたい」というので、5、6年ぶりにスキー場に立った。とはいえ前回は雪遊びでスキー板を履いていないので、スキーを履いて滑るのは数十年ぶりか。天気は晴れて気温は高め、スキー場内部までノーマルタイヤで走れてスキー場内には雪があり、客は少ない。初心者にとっては練習日和。3時間ほど子供に教えて、何とかゆるい傾斜を滑ることができるようになった。教える方もリフレッシュできた。
12月×日
7年前に持ち込まれた出版企画「岡山英学史」。企画立案者から刊行断念の申し入れがあった。10人ほどの共著で、ほとんどの方から入稿され、残りの原稿は企画立案者だけになっていた。病気をされたり高齢のこともあり、福祉施設に入居されていた。こちらから連絡すると「体調がよくなったら…」ということが、数年も続いていた。ほとんどの執筆者とは面識がなく、中には亡くなった方もおられる。最近、企画立案者の周辺の方に「高齢なのだから無理をしてはいけない」と中止を勧められたという。誠に残念。
12月×日
「男性にも更年期障害があるので注意」をとTVで特集していた。女性だけでなく男性にも。何もやる気がしなくなったりイライラして怒りっぽくなったり、ほてりや集中力の低下など、心と体に不調が現れるそうだ。放置すれば、心筋梗塞や脳卒中、認知症などのリスクが高まるとか。原因は加齢に伴って、男性ホルモンが減少することによるらしい。自分には夜に目が覚めやすく、頭髪が少なくなるなど、加齢の兆候は顕著。そのほかに更年期障害の自覚症状はまだないが、イライラしないように気をつけようっと。
12月×日
財布に溜まる1円と10円の小銭を出して、貯めている。というか、最初は財布がかさばるので小銭をかき出していた。ふだんは、買い物時にはした金は出さずに、釣銭をもらう。数年前からは、財布にコインが増えると1円と10円だけをかき出して缶に入れることにしていた。毎年溜まった小銭を銀行に持って行くと、金額は1万円以上にもなる。1年間続けて毎年12月に通帳に入金している。今年の金額は12,286円也。ちりも積めれば山となる。小銭も1年貯めれば1万円。何事も一度にはできないので、コツコツ継続が肝要。
12月×日
書籍制作の費用を算出するとき、印刷費と製本費が必要となる。印刷所に製本代を含めた見積もりを出してもらう。同じ仕様の書籍でも、印刷所によって金額が変わる。印刷機が違うし、技術も違う。見積もり金額に差があるのは当たり前。大量部数に対応した印刷機を所有している印刷所では、少部数は高いが、多い部数になると安いという場合もある。安ければよいというわけでもないが、安さも大きな魅力。印刷所は大切な仕事のパートナーなので、不義理をせずに末永くおつき合いしたいもの。
12月×日
加計学園が来春、今治市に新設する獣医学部の推薦入試が実施されたという地元紙の記事。政治的にも大問題となった「森加計問題」。国会でも取り上げられても、結局、真相ははっきりしない。加計問題の地元である新聞も取材をしないまま。12月2日の地元紙に、加計学園医学部開校の全頁カラー広告が掲載されていたのを見たとき、「なるほど、それで追及しなかったのか」と一人で納得。こうして受験の記事や春開校のニュースを流しているうちに、忘れ去られるのだろう。
12月×日
昨年の12月からスタートした「津山城下町を歩く会」は、昨日の第6回「津山城下町・外町(西)翁橋から西を筋違橋までを歩く」で終了した。雨天で延期になることもなく、真冬と真夏を避け、1年をかけて『絵図で歩く津山城下町』に掲載の6コースを歩くことができた。同書の執筆者で、講師の尾島津山郷土博物館長の丁寧な案内が好評だったこともあり、毎回定員を超える40〜50人の参加があった。主催の津山観光ボランティア協会にもお世話になった。6回の全コースを参加した人も数人いたほどだ。私自身も、津山の街に以前よりも親しみを持てるようになった。歩く会はいいものだ。
12月×日
岡山市の観光担当の方から、おかやま自転車ネットで作成した『吉備路自転車サイクルロードマップ』を使って、外人向けのパンフレットを作りたいと話があった。このマップは4年前に、吉備路自転車道のルートが分かりにくいとの声があり、道に迷わないようにと製作したもの。当時も外国人が自転車に乗って走っている様子は見かけてはいた。史跡などの解説を削除して、道案内に特化したサイクルマップにしたいそうだ。受注できるかどうか分からないが、まずは見積書の提出から。数年前に作ったものを再び利用できるのは、効率が良い。相手方も安い費用で利用でき、お互い両得。
12月×日
原稿の持ち込みがあり、刊行が決まれば目を通し内容を把握する。原稿を最初に読めるのは、担当編集者の特権。この原稿の素読みは、読みにくい文章や分かりにくい文章だとさっと斜め読みにすることもあり、興味なる内容ならじっくり読むものがある。最近目を通した原稿の中に、興味深くてワクワクしながら読んだ原稿が2本もある。1つは著者の世代が近く、子供の頃に遊んだり親しんだりしたものに共通点があり、内容に親近感が湧いたもの。もう一つは江戸時代の職人で、亡くなる直前に家業について子孫に書き残した内容にもの。発刊はいずれも来年。刊行時の反応が楽しみ。
12月×日
倉敷市に寄託されている史料を撮影させてもらった。まず資料室では、古文書を触る前に石鹸で手を洗い、汚さないように注意される。申請書への記入は備え付けの鉛筆でのみ。ボールペンなどは汚れが取れないから使用不可。もう1カ所の総務課では、戦災の古いプリント写真を袋から出し、その場で選んで蛍光灯の下で写真の複写をするように促された。ここにはデジタルアーカイブの概念がまったくない。すべての史料を早くデジタル化しておくべきだろう。1ヶ月前に受験したPO法人日本デジタル・アーキビスト資格認定機構認定「準デジタル・アーキビスト」合格証が届く。
12月×日
親戚の法事に出席。話になるのが墓地のこと。今や日本中の中山間地で、子ども世代が都会に出て廃屋や耕作放棄地になり、やがて墓参りする人は絶える無縁墓地が増えていてるという。最近は、先祖の墓をまとめ、お寺などに遺骨を管理してもらう永代供養が流行っているとも聞く。子供が都会に出て、もどってこないなどという理由らしい。将来、自分の墓に子供や孫が墓参りをしてくれるのか。これまではどの墓に入るかなどと考えたこともなかったが、親のこと、そして自分たちのこと、近い将来について考えていかなければならないがある。そんな世代になったということか。
親戚の法事に出席。話になるのが墓地のこと。今や日本中の中山間地で、子ども世代が都会に出て廃屋や耕作放棄地になり、やがて墓参りする人は絶える無縁墓地が増えていてるという。最近は、先祖の墓をまとめ、お寺などに遺骨を管理してもらう永代供養が流行っているとも聞く。子供が都会に出て、もどってこないなどという理由らしい。将来、自分の墓に子供や孫が墓参りをしてくれるのか。これまではどの墓に入るかなどと考えたこともなかったが、親のこと、そして自分たちのこと、近い将来について考えていかなければならないがある。そんな世代になったということか。
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
方谷研究会。
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