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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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 「伊達直人」を名乗って児童福祉施設などに贈り物をする「タイガーマスク現象」。子どもの頃に「タイガーマスク」をテレビでみていた世代には、街頭で寄付をするより自己満足度が格段に高いのだろう。ちょっと恥ずかしいと思う人は、「伊達直人に触発されたあしながおじさん」とか、タイガースがらみで「タイガースファン」とかのひねった名前を使っているらしい。

児童福祉施設にカバンを届ける以外にも、老人や障がい者福祉施設などにも寄付すれば思うが、「タイガーマスク世代」は子ども達にカバンを届けるのが一番自己満足度が高いのだろう。同世代として、分かるなあ。

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吉備人出版の電子書籍第1弾は、世界で初めて空を飛んだ、岡山の歴史人物・幸吉を描いた「鳥人幸吉物語」(コミック)。iPhone・iPad用でApp Storeで購入できる。検索語は鳥人、幸吉、飛行、岡山など。

幸吉は江戸時代中期の天明5年(1785)、旭川に架かる京橋の欄干から飛行凧(ハングライダー)で飛んでいる。その表具師・幸吉が飛行機を考案・制作して飛行し、岡山藩を所払いとなり、駿府(静岡県)で再び飛行して亡くなるまでを描いている。この飛行は日本で初めてであり、ライト兄弟よりも100年以上前のことになる。ライト兄弟の飛行は1903 年(118年前)。リリエンタールの飛行は1896年(111年前、墜落)。

日本初ということだけでなく、「空を飛びたい」という夢を持って努力し、岡山藩を追放になっても夢を捨てなかった幸吉は、注目すべき岡山の人物。飛んだ京橋の近くには顕彰碑が建てられている。

画の広井てつお氏は岡山市東区西大寺出身。主な作品に『西大寺ぶるうす』『W1ララバイ』『プロジェクトX 夢のロータリーエンジンの誕生』などがある。残念なことに2年前に亡くなられた。

紙の本は10年前の2000年に刊行し、そのほとんどを小・中学校、公立図書館などに寄贈。一部を書店などで販売したが、2.3年後には品切れになっていたもの。紙の本では42ページ分を、190コマに分割して表示する。

これを最初の電子書籍コンテンツとしたのは、品切れ本であったこと、コミックであったこと、幸吉のことを広く知ってほしかったことなどの理由による。

『高梁川を科学するPart1』(シリーズ『岡山学』8)
編者 岡山理科大学『岡山学』研究会

全国的に特異な地域
岡山理科大学『岡山学』研究会の「岡山学」シリーズ8作目。岡山県三大河川の一つ、高梁川の上流域が今回のテーマです。分野の違う専門家6人が研究成果を持ち寄り、多方面から紹介しています。
例えば、自称「コケ屋」という苔類研究者が多様な苔植物の繁殖地である「羅生門」周辺の自然を、地球物理学者は井倉洞や満奇洞などの鍾乳洞のあるカルスト地形の成り立ちを、植物学者は極めて珍しい植生を持つ「鯉ヶ窪湿原」の不思議について解説。上中流域の石灰岩質の地質が独特の植生や景観を醸し出し、全国的にも特異な場所であることを教えてくれます。
そのほか、歴史家による高瀬舟運航の歴史、約50年前に新見市草間地区をアメリカ人が調査した報告内容を分析する文化人類学者の研究成果も掲載。現地に行ってみたいと思わせる1冊です。

A5判、114頁、並製本、定価1470円(本体価格1400円+税)
(上記の記事は、岡山日日新聞の書籍紹介コーナーに掲載されたものです)

書店に買いたい書籍がなかったら、店員さんから「注文品になるので、1、2週間はかかりますが、よろしいですか」と言われる。これが現状で、もう10年以上前からずっとそうだ。書店も出版社もお客さんもどうにかしてほしいが、書籍流通の現実なんだから仕方ない。
小社の本を購入しようと書店に行き、書店さんに「在庫が無いので、入荷するのが1週間から2週間ぐらいかかります」と言われたらしい男性から、苦情の電話が昨年あったこと。内容は「なんで2週間もかかるんなら。おまえのところはどんな商売をしとるんなら!」というもの。書籍流通の実情をしらないこのお客さんがそう思うのも無理はない。どこの書店でも、在庫がなければこうなるのが現状だ。注文して到着まで10日も2週間もかかる商品は、受注生産するものとか、海外から取り寄せる商品なら分かるが…。
小社では、県内書店からの注文品は支店が岡山にあるため、できるだけ早くと週に2回程度は取次支店に届けている。取次支店から書店に渡るまでには、それから数日かかる。県外の書店には東京経由になるのでもっとかかる。お客さんは「書店にない本はネット書店で買うよ」ということになり、次第に「ネットで探してネット書店で買う」ことになる。今の人は2週間は待てないよ。
『野菜食堂こやま』を増刷した。重版する書籍は多くはなく、初版の売れ行きや重版後の販売を検討しながらということになるのだが、この本の売れ行きは当初から違った。地元で30年も料理教室をしてきた著者の実績が大きかったのでしょう。 制作の段階でテーマにしてきたのは、著者の思いをこの本に込めるということ。著者の料理教室に参加したこともあり、料理への並々ならぬ思いは知っていた。
先日、出版記念講演会があり、会の主催者から最後の挨拶を頼まれて話したのは、著者の料理とこの本への想いのこと。その想いが特に表れているのがレシピ以外 の「まえがき」や「母から子へつなぐ」などで、ぜひ読んでほしいとお願いもした。レシピは作りやすいものをと厳選して掲載しているが、それ以外の短い文章 に先生の想いがギュっと詰まっている。著者は若い人に、特に子育て中の人に、その想いを伝えたいそうだ。

プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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