11月×日
前日のマラソンのせいで足が痛い。足の筋肉と足の裏、足の指にダメージが残る。足の指が痛くなったのは、30キロを過ぎてから。靴紐を締めすぎていたのか、靴の大きさが合っていなかったのかかもしれない。20キロの練習ではなんともなかったが、長距離を走ることで痛みが出てくる。これがフルマラソンの恐いところだ。足裏の痛み対策はソールを変えたにもかかわらず、昨年と同様の痛みになった。アスファルトの劣化によるガタガタやタイヤの轍が、足裏の痛みを刺激した。今日は階段の上り下り、椅子から立ち上がるりなどがぎこちない。痛みは2、3日で治まるはず何で、動作は緩やかにすることに。
11月×日
雑誌『一度は読んでほしい 小さな出版社のおもしろい本』(男の隠れ家教養シリーズ)で、吉備人出版も紹介される。4年ほど前に同じシリーズで小出版社特集があり、掲載してもらっていた。今回は「全国の個性的な出版社55社と注目の550冊」と題して、中小出版社の特集になっている。ページをめくりながら、知っている出版社は「元気にやっているようだなぁ」とか「社長がやせてたかな」などと思いながら読み進めていくと楽しい。数年後、次回にこの特集があるなら、ぜひ掲載してもらいたいもの。そのためには、「元気な出版社」でいなければ。
11月×日
NHK「歴史秘話ヒストリア」で「将軍吉宗のわがまま 江戸1300キロ象の旅」が放映された。8代将軍徳川吉宗の時代に、長崎に到着した象が陸路を岡山藩内も通過して、江戸まで移動する話。将軍吉宗にも謁見し、やがてこの象は寿命が尽きて死んでしまう。この象の皮の膠(にかわ)を素材にして墨をつくるため、奈良にある老舗墨屋にこの象の皮が渡り、今も大切に残されていることが紹介されていた。この話の発端になったのが、新刊『玄々斎随筆-墨匠・松井元泰の遺書-』(竹林榮一氏編)に掲載されている古文書。江戸で死んだ象の皮が、奈良の墨屋が入手した経緯が書かれている。これらが「これほど興奮する一次資料はない」(磯田道史氏)ということだ。
11月×日
「企業アーカイブセミナー」を、岡山県立図書館のサークル活動室で開催。最初の講演は「先進企業に学ぶ企業アーカイブの取り組み」のテーマで小西産業考古学会理事(Business Archives Lab.主任研究員)が、続く講演は「社史編纂と企業アーカイブ」のテーマで山川吉備人出版代表が、その次の講演は「印刷会社が取組むデジタルアーカイブ――事例の紹介」のテーマで橋本研精堂印刷株式会社常務取締役が担当。私は短時間で「デジタル・アーキビスト」資格の紹介だけだったので、少し物足りず。セミナーの回を重ねることで、「企業アーカイブ」の必要性が広まってほしいもの。
11月×日(土)
久々の出版相談会。倉敷市内の大型ショッピングセンター内にある書店に出向いた。制作中のゲラに目を通すなどしているうちに終了時間。結局、相談者はなし。「おかやま検定」のチラシとポスターを届けただけになった。それにしても、土曜午後ということもあり、書店内に人が多い。岡山市内にある同系列の大型ショッピングセンター内の書店とともに、県内における東西の書店の横綱だ。帰りに倉敷駅周辺の書店にも、「おかやま検定」のチラシとポスターを配布する。
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工事中
11月×日
書籍を刊行すると、プレスリリースを作成して複数のマスコミに送っていた。新聞社には地元紙をはじめ全国紙の岡山支社、中央の業界紙に数社送っていた。最近は地元紙と共同通信社、業界紙の「出版ニュース」は来年3月で休刊ということを聞いて出していない。地元紙は著者と記者のつながりが強いと掲載の確率が高い。むやみにマスコミに送り付けても書籍が無駄になる。送られるマスコミの迷惑なだけだ。マスコミが取り上げずにはおれない内容の書籍を発刊すれなよいがそれも難しい。
11月×日
株を売って出版の資金にするという方がいたことがある。「高く売れたなぁ」「様子をみて株価が上がったら……」と話していた人がいた。「株価が下がったので支払いを少し先に」という人もいた。10月の株暴落は序の口、次の「第2波」があるという予測もあるし、世界金融市場の終わりを告げる明確なサインという予測もあった。日本にいる個人も世界経済の影響を受ける。「風が吹けば桶屋が儲かる」というが、これからは「風が吹けば桶屋が損をする」時代ということか。
11月×日
『玄々斎随筆-墨匠・松井元泰の遺書-』を著者らの古文書を読む会に届ける。最近はどこの古文書教室も参加者が増えて、人気だそうだ。江戸時代と中世の文書は微妙に違う。原文は無理でも活字にしたものは読めるようになろうと、勉強してみるがなかなか身につかない。江戸時代には寺子屋で子どもらに教えていたことだから、続けていれば次第に読めるようになるのだろう。最近、自分が書くメモが漢字だけになりつつある。
11月×日
ファッションや言葉、音楽などその時代の流行がある。『昭和のことば』 (文春新書)のように、昭和の言葉がある。その時代の言葉がある。「インド人もびっくり」「アベック」「アッシー」「ナウい」「チョベリバ」なんていう言葉もあったし、使っていた気がする。今でもひょいと言うことある。「読書人」や「活字中毒」という言葉も、昭和時代の言葉なのかもしれない。来年からの新時代には、死語になっているもしれない。
11月×日
「おかやまマラソン」に参加。前回2016年に走った記録を40分短縮してゴール。気温が高く水分補給がポイントだった。前半は快調にマイペースに進めたが、後半は靴紐の締め方が悪かったのか、足に痛みが出てペースダウン。3分の2地点のラーメン店に寄る気がせずに通過。これがよかったのか昨年タイムを大幅に改善できた。ゴールはできたが、足を引きずるようにして帰宅。風呂に入ってひと眠りするが、足の痛みがひどく動けない。マラソン大会に向けて長期のトレーニングをするのは健康に良いが、大会当日の走りが最も体に悪い。
10月×日
1カ月に3〜4人のインタビュー原稿をまとめる。いずれも組織のトップの方で、業種も様々。いろいろな業界を知ることができ、トップが語る言葉や話し方に個性があって面白い。現場の経験が長い方は、言葉に説得力を感じる。どんな質問にも言葉数が多く流ちょうに話される方は、文章に書き換えていくと内容が薄く伝わってこない方もいる。いけないのは常套句を多用する人。問題の本質を話すことを避けているよう。車での移動にラジオの国会中継を聞いていると、政治家トップのスピーチは何を言っても紋切り型の話し方に聞こえ、誠意が伝わってこない。真実を隠して逃げているようでもあり、どうも信頼できない。
10月×日
第5回「晴れの国おかやま検定」のチラシを納品する。このチラシには受験料の支払票もついている。試験日は来年2月3日(日)。受験の申込期間は11月12日(月)~12月21日(金)。受験料は1,000円。100点満点中90点以上は「達人」、60点~89点は「博士」と認定される。認定証カードやバッジ、ステッカーもらえる。受験勉強することで岡山の歴史や文化が身につく。私は昨年受験して「達人」と認定された。あるパーティーにこの検定の「達人バッジ」を背広の襟につけて出席したところ、話をした誰からも無視された。この検定合格者の社会的認知が低すぎるのが、この検定の課題だ。
10月×日
既刊の書籍の中で紹介した企業から、その書籍の表紙と本文をリニューアルしたホームページの中で紹介したいと連絡があった。この場合、執筆者の承諾が必要のため、著者に連絡をした。著者から快諾の返事が届き、別件で数日後に来社するということだった。来社は約1年半ぶり。その姿はかなり痩せられ、頭髪は白く少なくなっておられた。病気をされ、腹腔鏡手術で患部を切除され、薬の治療を続けられているという。快復に向かっているということで、なにより。高齢になると1年半のブランクは長いということか。1年に1回の誕生日を健康で迎えられることは、お祝いをするほどおめでたいということだ。
11月×日
2018年度就実グローカル・フォーラム。今回のテーマは「VUCA世界における日本の選択~EU、アメリカ、アジアの視点から~」。基調講演は、英国人のビル・エモット氏、アメリカ人のグレン・フクシマ氏、ソニー元CEOの出井伸之氏。まず演題の「VUCA」が分からない。解説によると、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字らしい。世界はいっそう混迷を深めており、こうした状況を「ブカ(VUCA)」というのだそうだ。70年年代の終わりに『不確実性の時代』がヒットし、みんな「不確実性の時代」という言葉を使っていた。経済用語にも新語がたびたび登場する。しかし、書籍のタイトルなどにならないと、流行らないだろう。
11月×日
2018年度就実グローカル・フォーラム。ソニー元CEOの出井伸之氏は講演者のうち、最年長者だが第一線で現場を歩き、今も現役で海外を現場に足を運んでいるので、現状認識が最も鋭敏。若者にベンチャーマインドを育てるように促し、ここは岡山なのでと、「桃太郎」になれという。桃太郎とはお爺さんお婆さんのスポンサーを持ち、キジは情報収集する人、サルは知恵を出す人、イヌは行動力のある人。そう考えていたら、似たようなことを松下幸之助が書いて痛そうだ。岡山市は桃太郎のPRに取り組んでいるが、岡山市長に桃太郎を打ち出すようにように提言したのは、この日の司会をしていた杉山副学長だそうだ。最近、岡山市では桃太郎で盛り上げようとする動きが顕著であるが、桃太郎ブームは定着するのか?
工事中
10月×日
この時期、書店では手帳やカレンダーのコーナーが幅をきかせている。手帳コーナーで数種類を手にとってみるが、私の探している手帳はまだない。今年は県民手帳を使ったが、この手帳に書き込むことはなく、外出先でのカレンダーの確認することしか使うことはなかった。今年もグーグルカレンダーに頼り、日々のTODOリストはメモ帳に書いていた。私がほしい手帳は、最初だけに12カ月分のカレンダーがあり、ほとんどが罫線入りのメモ帳(白い紙)のもの。メモ帳には破り捨てられるようにミシン目つき。そしてペンホルダーが付いているもの。
10月×日
「どうしてお正月に門松を飾るの?」「どうして鏡餅が丸いの?」「3月3日、5月5日、7月7日など、奇数月の月と日の重なる日に行事があるのはなぜ?」と、5歳のチコちゃんに質問されたら、答えることができる? 私たちの生活には先祖から受け継いできた年中行事があり、今ではその意味が薄れたり忘れ去れられたりして、形式だけが残っている行事がある。そんな伝統文化を次の世代に受け継ぐことができるのか? 次の世代にという前に、私たち自身が知っておかなければなりません。チコちゃんに「ぼーっといきてんじゃーねぇよ」と叱られる前に、新刊『「吉備」の歴史と伝統文化─備中志塾講義録─』(神崎宣武氏)を読んでおこう!
10月×日
特定非営利活動法人日本デジタル・アーキビスト資格認定機構から、認定証が届く。9月にデジタル・アーキビスト短期資格取得講座を受講し、受けていた認定試験の結果がわかり、ホッとする。アーキビストとは、官公庁の公文書や企業などの社内文書類の評価をして収集し、整理、保管(分類,目録などの作成)、公開(展示、Webや出版などでの提供)などを主要な任務とする。私の資格取得の目的は、地域文化の保存や企業資料のアーカイブ化など。周年誌などにすることもアーカイブ化の一つの形態。アーキビストと編集者は相性がよい。各所にアーカイブ的編集、編集的なアーカイブ化と公開を提案していきたい。
10月×日
情報の消費者から生産者にまわれという『情報生産者になる』(上野千鶴子)が刺激的。「東大上野ゼミメソッド公開」の宣伝文句に、縁遠い内容と思いながらめくってみると、「問いを立てる→過去の研究に学ぶ→一次データを収集→分析→アウトプット(分かりやすく書く)」の図式。当たり前のことのようにも思うが、そういうことかと納得する。著者の人生相談の文章はよく目にするが、そんなメソッドで学生指導をしていたのね。試しに、最近疑問に思っている「問い」でアプローチしてみることにしよう。
10月×日
金曜と土曜の2日間、岡山大学津島キャンパス内のJテラスカフェで開催された『イチョウ並木の本まつり』。吉備人出版は、土曜のみ参加。搬入のみ手伝って、午後から開催の方谷研究会のために事務所に移動。準備品を持って、会場の岡山シティミュージアム4階に一番乗り。3人の発表者のうち1人は9月に亡くなった方の代理講演。故人が用意していたパワーポイントを使って解説。この日が故人の四十九日に当たり、午前中に法要を終えた奥様が聴講に来られていた。
10月×日
吉備の古代史の講演会とシンポジウムを収録する出版企画のお話をいただく。これまで吉備考古ライブラリィのシリーズを刊行していた時期には、年に1冊前後を出していたが、監修者の近藤義郎氏が亡くなられてからこのシリーズは終了し、以降はすっかり少なくなっている。吉備古代史は個人的にも出したいジャンルだが、地元の考古ファンは研究熱心な方が多く、中途半端なものは出しにくい。読者の興味を高める写真図版やコラムなどをコミットしながらも、地域の方と一緒につくり、共に売るという姿勢で臨みたい。
10月×日
香川県高松駅からすぐのホテルで、TV局に同行の取材。すぐ隣に新館のホテルがオープンし、その話題も兼ねる。高松は四国の玄関口。四国の各地へ、また島々への交通網が集約しており、観光もビジネスも出発の起点になる。外国人客の増加と、来年開催の瀬戸内国際芸術祭を見越しての新刊オープンなのだろう。取材部屋は18階のスイートルーム。広い窓が2つあり、眼前の瀬戸内海ビューがすごい。正面に屋島の全容が一望、眼下の高松港から出入りする船がうかがえ、夜景も自慢のようだ。非公式に「南海トラフの備えは?」の質問をしょうと思ったが、できなかった。
10月×日
この日、『「吉備」の歴史と伝統文化─備中志塾講義録─』(神崎宣武氏)と『玄々斎随筆-墨匠・松井元泰の遺書-』(竹林榮一氏編)の印刷データを同時入稿。前者は講演の録音データから読み物の原稿にするまで時間がかかり、ゲラになってからも長かった。後者は古文書を著者グループが翻刻した原稿と、その文書の解説原稿をもらってからスタート。順調に校正を進めていたが、著者グループに専門家メンバーが加わって修正が一挙に増えたこともあった。両者ともスタートは違っていたが、紆余曲折しながらも内容はよくなり、偶然の同時ゴール。めでたし、めでたし。
10月×日
この日の早朝ラニングは、長距離に挑む。吉備路自転車道を通って西へ。吉備津彦神社から吉備津神社へ。ここに立ち寄ってマラソン走破を祈願。この日の朝は快晴で、青空をバックに国宝の吉備津神社の本殿・拝殿は凛とした空気が漂い、神々しく映えていた。吉備津神社本殿は、あけぼのがよい。そこから造山古墳から千足古墳へ。造山古墳は先の西日本豪雨で、2箇所が土砂崩れ。千足古墳においては国の補助金を受けて見学できるように造作中のようだが、「どうしたいの?」というような無残な姿で心配になる。自宅からここまでの往復は約30キロ。まだ長距離走行の耐性ができていない。
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
方谷研究会。
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