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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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岡山県立図書館は、全国の都道府県立図書館の中で、来館者数と貸出し冊数がともに6年連続で1位ということだ。来館者数は全国平均の2倍、貸出し冊数は3倍。岡山に次いで多いのは大阪府立図書館だそうだ。今年度の図書購入予算は、東京都に次いで2位というからたいしたもの。岡山県も御多分に漏れず財政難にかかわらず、教育委員会は「予算の削減は教育県・岡山の名折れ」とプライドにかけて予算を確保するのだそうだ。もはや「教育県・岡山」とはいえないと思うが、プライドは高い。図書の充実のために、予算の確保はしっかりお願いしたいところだ。
事務所の近くにあるし、最近、特に図書館を利用する。ネット予約ができるのを覚えたからだ。気になる書籍を自分のパソコンで検索して予約する。図書館側から、貸出しの準備ができたらメールが届く。その用意が結構早く連絡してくれるので、重宝している。無料だし便利だから、関連の余計な本まで予約してしまう。おかげで手にする本の種類は増えた。といってもすべては読めない。目的の本を読むだけ。積ん読本は期限がきたら強制的に返却。借りた本の中で「これは」というものを書店で購入する。本棚の本はたいして増えない。
図書館ではいろんな催事を開催しているし、いろんな利用の仕方があるようだ。私が利用してみたいのは、個人で借りられるという個室。その部屋を1日借りて籠ってみたい。
さて、岡山県立図書館は来年も1位を確保できるか?
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「Books Bar」夜の部のスペシャルゲストは、オセラ編集顧問の青山融氏だった。トークイベントとして、趣味の一部を披露いただいた。古墳や岡山弁、横溝正史などのミステリー、昭和歌謡曲とその替え歌など、趣味の範囲が広い。最近始めたという連句以外は、どれも数十年続いているそうだ。この日の持ち時間は1時間ほどだったので、話を時間内にコンパクトにまとめた印象。1日1テーマでも十分話してもらえそうだ。
青山氏の特殊な趣味と趣向に触れるには、『岡山人じゃが』(吉備人出版)をどうぞ。路上に描かれた「止まれ」の交通標識の写真をコレクションした「トマレミーヨ」(詳しくは『岡山人じゃが2011』)や、横溝ミステリーに登場する岡山弁の考察(詳しくは『岡山人じゃが2009』)など。そして、中学生のころから始めたという古墳探訪は趣味歴が長い分、筋金入りだ。数年前にお父さんを亡くされ、その墓石には前方後円墳の形を彫ったそうだ(詳しくは『岡山人じゃが2010』)。私も古墳探訪に同行させてもらったことがあり、「石棺」に寝そべって嬉々とする青山氏の姿に衝撃を受けたことがある。ただ古墳が好きというのとは好きのレベルが違う。
青山氏の趣味はご自分も相当楽しんでいるようだが、周りを楽しませてくれる。収集物を分類化し体系化して分析を始めるとさらに面白くなる。私が思うに、そんな面白さの本領を発揮したのが岡山弁満載の『岡山弁JAGA!』(1998年、アス刊、品切れ)。この本は岡山弁フレーズを分類し解説した秀逸の内容。例文としてコラムのように載せている物語は大爆笑ものだ。しかも岡山弁のイントネーションや用法も解説するCD付き。複刻したい本のNo.1だ。
趣味から方言のスペシャリストとなった青山氏は、「バッテリー」や「カンゾー先生」などの映画の方言指導もしている。ちなみに、今秋に発刊した絵本『すいんきょ』(吉備人出版)でも方言監修をしてもらった(巻末にクレジットも入れている)
青山氏が自分の趣味や趣向を大事にし、心底楽しむ生き方に心をひかれる人は多い。ラジオのゲストや講演会での話しぶりは穏やかで控えめながら、教養の高さがうかがえる。江戸時代なら「文人」となり、行列ができる私塾ができていたかも。そんな私塾があれば、私も末席に座っていたい。
「岡山日日新聞」が今月の10日に廃刊になった。発行部数が少ない中で広告収入が減少し、いわゆる経営の悪化のためとのこと。この新聞の書籍紹介のコーナーに、時々書評の原稿を書いていたこともあり、廃刊は残念だ。廃刊2前の8日に掲載された『「備中神楽」衣装の色彩』が最後の原稿だった。担当窓口の編集者も寝耳に水だったらしい。また紙の領域が、デジタルに攻められたような気がする。
創刊65周年ということだが、30年ほど前、この新聞社に2年間ほど在籍していた。当時は岡山駅前に会社があり、一等地に輪転機を持つ新聞社だった。廃刊時に公称2万部というから、当時はもう少し多かったと思う。昼に本紙である夕刊紙を刷ると、夕方から深夜にかけて請負いの印刷物を刷り、プロ野球の興行もしていた。活気のあるころだったのだろう。行政などに不正があれば批判的な記事も書いていた。この点は市民オンブズマンなども評価していた。
岡山日日新聞の廃刊で、岡山県内の地方紙は津山市の「津山朝日新聞」と新見市の「備北民放」、岡山市の「山陽新聞」となった。山陽新聞の発行部数は公称40万部を超え、朝毎読の全国紙の部数と比べても県内では圧倒的な部数を誇っている。しかもケーブルテレビやFMラジオ、業界紙などをグループ会社にして、いわば県内の「メディア王」である。岡日新聞の廃刊とは直接関係ないかもしれないが、政界や経済界の強い結びつきもあるようで問題点を指摘する人もある。寡占の弊害がでないように謙虚な媒体であってほしいし、無料紙や雑誌、ITの媒体にも頑張ってほしい。
『「備中神楽」衣装の色彩』
著者 坪井有希

衣装の色で読み解く
 「備中神楽」(国指定重要無形民俗文化財)は備中地方に伝わる民俗芸能。江戸時代後期、高梁出身の神官・西林国橋が民衆の信仰心を高めようと、従来の神楽に神話劇を取り入れて創案したものです。明治以降は神職ではない「神楽大夫」が演じるようになり、昭和から平成にかけては国内各地でのイベント出演や海外公演をするほどに発展していきました。
 著者は、このような発展を経てきた備中神楽の衣装の色彩に着目。太夫や衣装の縫い手を訪ねて130点もの衣装を色の計測器を用いて調査し、客観的なアプローチを重ねました。その結果、時代の波を受けて「観光化」「華美化」の道を歩む備中神楽の衣装の本質が、色彩によって明かされます。調査の過程で、備中神楽の変遷や関係者の想いも浮かび上がっています。
 カラー写真満載で、研究者から一般の方まで興味深く読める一冊です。巻末の「神楽師系譜図」も貴重です。

●定価1680円(本体価格1600円+税)
●四六判、並製本、170ページ(オールカラー)
● ISBN 978-4-86069-294-0
(上記の記事は、岡山日日新聞の書籍紹介コーナーに掲載した原稿です)
『沖新田・沖田神社と沖田姫』
著者 柴田 一(就実大学名誉教授)

「永忠」研究の到達点
 江戸時代に干拓された岡山市南部にある「沖新田」は、今も広大な田園地帯です。この新田の開発をするときに「おきた姫」が人柱になったという伝説が、沖田神社の氏子らを中心に今も地域の人々に語り継がれています。
 著者は『岡山藩郡代・津田永忠』(上下巻、山陽新聞社刊)を21年前に発刊した歴史学者。長年の知識と経験を総動員した本書を、永忠研究の到達点と位置づけています。
 本書では「人柱を建てた理由は?」「おきた姫はどこの人か?」「入水した時と場所はどこか?」などの設問を立て、これらに答えるように「人柱伝説」の真相に迫っていきます。これらのことを、藩はなぜ記録に残さなかったのか…、そして気になる永忠と「おきた姫」との関係は…。歴史の面白さが伝わってくる一冊です。

●定価840円(本体価格800円+税)
●A5判、56ページ、並製本
●ISBN 978-4-86069-295-7 
(上記の記事は、岡山日日新聞の書籍紹介コーナーに掲載した原稿です)
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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