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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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 1年前、3・11の震災を報道する映像はほんとに怖かった。家や車を飲み込む大津波の映像は衝撃的で、あの中に人がいると思うとゾッとした。福島原発の事故も悲惨だった。日本はもうダメになると本気で思っていた。そのころ、岡山から福島県内に仕事に行っていた人から、「機材を残して引き上げて来た。置いて来た機材は取りに引き返せないだろう(放射能レベルが高くて)」とか、「皇室の方は京都に移動したらしい」とかの話を直接聞いた。半信半疑だったが、錯綜する情報を確かめようもなかった。水素爆発でボロボロになった福島原発の建屋の上からヘリコプターで放水するころが一番怖かった。1機の原発が暴発すればその熱で3機の炉心が溶解し、4基分のウラン燃料が高熱と放射能をまき散らすと、素人なりに最悪の惨状を勝手に想像して恐れていた。

 この3月初旬の新聞報道に、福島第一原発4号機が大惨事に至らなかったのは、偶然が重なったためとあった。記事の内容はこうだ。当時、4号機は使用済み核燃料を原子炉の外に出して貯蔵用プールに移しており、その状態で電源が止まり冷やせなくなっていた。そのままだと水が蒸発して燃料棒がむき出しになって放射線と放射能物質を出して、周辺にある原発も放棄せざるを得なくなり、首都圏の住民も避難しなければならない事態になっていたというのだ。これを救ったのが補修器具の設計ミスや、貯蔵プール水位が蒸発で低下しているところに水を仕切る壁が偶然ズレていて隣にあったプールの水が流れ込んだことらしい。アメリカもこの4号機が最悪の事態になる引き金になると考えていたそうだ。1年前に恐怖を感じたことは、まんざらの妄想でなかったのだ。いったんは杞憂だったと思っていたが、実は首都圏の人まで避難することになりかねない事態だったらしい。(朝日新聞3月8日1面)

 福島原発事故が起きて、確かにいろんなことが分かってきた。例えば、日本には54基も原発があること。政府とほぼ独占状態の電力会社と御用学者が一緒なり、莫大な原発マネー(税金)を使って造ってきたこと。原発を動かすことで出る放射性廃棄物の処理方法は何も決まっていないのに、増え続けていること。何世代にもわたって解決できない問題を先送りするしかないこと。政府と電力会社と御用学者と誘致した地元の政財界は、癒着しまくっていること。原発のほとんどが止まっても、電気の供給に大きな問題はないこと。彼らにとってマズい情報はごまかして隠してしまうことも…。そして福島原発では放射能の汚染水が溜まり続け、4号機の貯蔵プールにヒビでも入って水漏れが始まると再び危険な状態になることも。

 山に家電を捨てて自然を汚しても、川に廃液を流して魚を死なせても犯人は罰せられる。放射性物質をまき大量に散らす大事故を起こして、責任をとる人がいないのはおかしい。土地と財産を奪われた多くの人が苦しんでいるというのに、普通の市民の感覚なら再稼働するなどとんでもないことだと思う。原発はもうやめてほしい。
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プロフィール
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執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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