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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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岡山県立美術館で開催されていた「長谷川等伯と雪舟」が先週終わった。約1ヶ月間の開催中に10回以上も美術館に行ったが、この展覧会をみることはなかった。いつも裏口の警備室から入って事務所に行き、学芸員と「長谷川等伯と雪舟」の次に開催する「野崎家コレクション」の図録の打ち合せに行っていたからだ。制作が遅れて美術展を見て回る心の余裕を失っていた。やっとのことで開催日の前日に納品をすることができた。
さて、その「野崎家コレクション」は現在開催中。「塩田王」と呼ばれ莫大な財を築いた野崎家(倉敷市児島)のコレクションから約100点をセレクトして展示している。野崎家の方も、こうして一同に並べて展示するのは初めてという。
初日に拝見させてもらった。展示物を観て気づくのは、掛軸などの作品の大きさと、岡山県内の作家の作品が多いこと。掛軸といえば床の間に掛けるぐらいのものを想像するが、100畳の間に掛けるような巨大なもの(野崎家には100畳の部屋が実際にある=たい暇堂)が多い。そして洋画家の原撫松や文人画家の浦上玉堂、漢学者の三島中洲をはじめ、石井金陵、柚木玉邨、古市金峨、岡本豊彦など岡山ゆかりのある作家(これまで知らなかった)の作品が目につく。名前の売れていない才能ある画家を宿泊させ、逗留中に描かせた作品もあるそうだ。野﨑家の当主はロシアに留学させた小西益太郎など、人に投資し社会に金を出している。野崎武左衛門は江戸時代に「家訓七か条」を遺しており、その中で既に「公共の利益」をうたっている。
バブル期に企業のメセナが流行ったことがあったが、今も続いている企業がどのくらいあるのだろう。金持ちになったときのお金の使い方で、その人の品性が見えてくる。従業員や地域社会のため、文化度の向上のためにどのくらい使えるか。最近、製紙会社の創業家出身の前会長が数十億の金をカジノの豪遊につぎ込んでいたことが事件になっていたが、これなんかどうなんでしょう?
今回の「野崎コレクション」は、野崎武左衛門の孫で、貴族院議員でもあった武吉郎の時代のものが多い。倉敷の大原孫三郎といい、名を残すリーダーの共通点を感じる。
岡山県立美術館での「野崎コレクション」は4月8日まで。
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プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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