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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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6月×日
資料アーカイブの必要性が言われだして10年以上が経つ。その間にデジタル技術が進化して使いやすくなってきた。デジタルアーカイブは資料をコンパクトにして処理でき、検索・抽出などを容易にして再利用しやすくする。だが、デジタルカメラの撮影やスキャニングしておけばよいわけではない。肝心なのはその後の処理。それぞれにメタデータを付けておかなければ意味がない。デジタルアーキビストの資格を取得したのは3年前。企業から預かった資料のデジタル化を進めている。色の黄ばんだファイルケースや張り付いたアルバムをめくる作業で、手は埃で黒くなる。アーカイブの作成は地味な作業から。
6月×日
「晴れの国おかやま検定」公式参考書のリニューアル作業が一段落。統計データなどは更新し、芸人のブルゾンちえみと大物新人アーティストを、古株のプロスポーツ選手とスキーの新田佳浩に入れ替えた。そして、休刊している施設などの入れ替えもした。問題はオリンピック・パラリンピックが実施された場合に、メダリストが出るかどうか。出るなら載せてあげたい。マラソンの前田穂南には期待している。総社市出身の新谷仁美はどうか。BMXの選手は……。これらは、結果を待って見届けてから、校了する予定。
6月×日
不動産関連の営業の若者が来社。本業の話を一通り終えると、小社の『岡山の山城を歩く』の著者を知っており、大学生のときからその著者と一緒に山城探訪をしているという。彼は中学生のときから山城に興味を持ち、県内の山城はほとんど行っているという大の山城ファン。『新・岡山の山城を歩く』も読んでくれている。話をしていると、大学生のときに「宇喜多秀家コンテスト」で優勝し、岡山城の天守閣前の広場で実施していた「宇喜多フェス」で秀家の衣装を着てステージに上がっていたという。そのときに彼とは会っていた。若い人が地域の歴史に興味を持たない中、なんとも頼もしい若者。「備中高松城水攻め」に取り組むときには、一枚噛んでもらおう。
6月×日
最近の新型スキャナーは機能がすばらしい。書籍を丸ごと容易にスキャンすることもできる。数年前に流行った自家製の電子本をつくるときには、こんな機械を利用していたのだろう。コピー機型の機械では、ページをめくる毎に本を逆さにして置いていかなければならないが、このスタンド型なら本を置いた状態でページをめくるだけでOK。本の喉部のゆがみなどは自動補正する。写真も数枚をランダムに置いておけば、自動でスキャンして1枚ずつにデータを分けてくれる。機械の操作に慣れて一段落したら、自分の資料もデジタル化して、紙の資料は断捨離して少なくしていこう。
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6月×日
昨年亡くなった著者の奥さんから電話があった。その著者の方と、4冊の書籍を制作していた。テレビ局で取材をされておられたこともあるので、企業の取材は好きな方だった。書籍は、退職後に、地元の経済誌に連載していた企業紹介の記事をまとめたものなど、4冊とも企業ものだった。奥さんからの電話は、本代など未払いのお金が残っていなかどうかの問い合わせだった。電話で、進行の早い癌で、最後の数カ月は病院で一緒に過ごせたのがなによりだったと話されていた。心の整理がついてからの電話だったのだろう。これから家にある、ご主人の著書を、知り合いに配られるそうだ。
6月×日
最近の新聞や雑誌の記事や広告などに、QRコードをよく見かけるようになった。いただく名刺にも付いている会社もある。QRコードを見つけるたびにスマホでサイトや動画を見ると、時間がどんどん経っていく。新聞なども、QRコードを見つけるたびに開いて見ていると、最後までページをめくる時間がなくなる。新聞を読む時間より、QRコードが案内するとサイトや動画の方を見る時間の方が長くなることもあり、槌より柄が重くなってしまう。媒体の作り方が、デジタル化によって重層的になってきている。
6月×日
岡山市の観光テーマを何でいくかの打ち合わせ。いくつかの候補を挙げて、優先順位の1番は「備中高松城水攻め」を推した。吉備の古代はもちろん勧めるし面白いが、物語が説にとどまり、想像力を駆使しないと古代ロマンの世界が楽しめない。そのため、1番ということであれば、高松城水攻めだ。羽柴秀吉が現地に来ている戦いで、中国大返しから秀吉の天下取りにつながり、教科書にも載っている大事件である。地元に観光ボランティアの方々をはじめ、高松城址を顕彰する会の方々も熱心だ。高松城以外にも、堤防跡や、攻防戦となった境目7城の城跡、毛利軍と羽柴軍の陣地跡を加えれば広域になり、たっぷり1、2日のコースになるなど。そして2番目のお勧めは……。
6月×日
前週に続いて、DMの封入・発送作業。今回は「アーカイブレポート」を、中国5県にある会社に送付する。このレポートで取り上げている著者のインタビューは、YouTubeで動画をアップしている。そしてこのアーカイブレポートを、facebookで有料の広告をする。SNSの広告は、年齢層やエリアを限定するなどターゲットを絞ることができ、さらに広告料は「いいね」の件数でカウントされるというもの。テレビや新聞に広告できない小さな会社も、予算に応じて効率的にPRできる。新しい広告展開ができそうだ。
6月×日
「邪馬台国」という雑誌を刊行している梓書院から、小社刊行の『邪馬台国東遷説』の著者に寄稿してほしいと連絡があった。著者に取り次いだ後に、書評欄に何か書いてもらえないかと依頼があったので、『吉備の古代史事典』を書くことにした。本書は、考古学関係の遺跡や遺物、歴史の古い神社や寺院、古記録・古文献、イワクラ(磐座)、聖なる山など、「古代吉備」の歴史を知るうえで欠かせない言葉を抽出し、考古学や文献史学にとどまらず、地域の伝承や宗教観などを用いて解説したもの。しかも単なる事典でないのは、いくつかの言葉を調べているうちに、次々と指定される著者執筆の関連書籍に手を伸ばすことになり、それらを読んでいくうちに、著者の考える「吉備の古代史観」を体系的に修得できること。この書評は雑誌「邪馬台国」140号(7月1日発売)に。
6月×日
吉備人出版25周年記念で募集していた作品の最優秀賞が近く刊行となる。野鳥の紹介をテーマにしたフォトエッセー『鳥好きの独り言』(小林健三著・写真)。鳥と言えば、以前に野鳥の会の人に取材して連載をしたことのあり、ゲラを読んでいると、「そうだ、こんな習性の鳥がいた」と思い出す。例えば、ホトトギスやカッコウなどの「託卵」。託卵とは、鳥が種類の違う鳥の巣に産卵して、他の鳥に卵を抱かせひなを育てさせる習性。しかもこの習性は隔世し、ホトトギスの卵はその巣の親鳥の卵より早くふ化して、運んでくる餌を先取りし、そのうちに他の卵を蹴落として餌を独占するという、トンデモナイことをする。ほかにも一夫多妻や、オスに子育てをさせて、次のオスを探す習性のあるメスなど、人間社会の規範に照らすと問題の種も多い。だがしかし、鳥の生態について、人間がとやかく言うことではない。この習性は長い時間をかけて身につけた彼らの生存戦略なのだから。
6月×日
今年も2日に渡って新しく出来た「図書目録2021版」を梱包して、関係者の皆さんに発送をした。これまで制作してきたものに、新しい年に制作したものを加えて、新版と作成。これまで毎年同じ体裁で制作してきて、今年版は168ページ。昨年の2020年版は160ページ。10年前の2011年版は72ページ。10年でページ数は2倍以上になった。2011年版のものと比べると、10年前には電子書籍は掲載していない。無かったからだ。出版以外の業務の案内ページも増えている。図書目録は、市販本も私家本も電子書籍も網羅している。それぞれの書籍には著者がいて、関係する方々もいる。DMのタックシールを貼りながら名前を眺める作業は、その人を、過去を振り返るひととき。
6月×日
津山産の小豆であんをつくる。これまでコタンの北海道産の小豆を使うことが多かった。砂糖は奄美諸島のサトウキビからつくったもの。小豆の量に対して砂糖は半分というところを、数回の実験で3分の1にしても十分にうまいと分かり、さらに砂糖の少量化を試みる。津山産の小豆は250グラムだったので、今回は砂糖を70グラム。小豆を煎ることから始め、煎れたら水を入れて弱火で煮る。湯が少なくなりかけると砂糖を投入し、湯が無くなると同時に完成するように全体をかき混ぜながら進行させる。出来上がりを試食してみると、津山産の小豆は大粒で、北海道産に負けないうまさ。次回は、あんを使った「○○○」のつくり方。
5月×日
気象庁が公表する「平年値」が更新された。年間降水量1mm未満の日数が一番多い県は、引き続き岡山だった。「晴れの国おかやま」はなんとか面目躍如を果たす。平年値とは、過去30年間の降水量や気温などを平均した値で、10年ごとに新しいデータに入れ替えて更新されており、今回発表されたのは1981年から2010年の30年間を平均したもの。今後10年間はこのデータを使うため、「晴れの国おかやま」は10年間補償で安泰。ただ、「晴れの国おかやま」のイメージは雨が少なく、晴天の日が多いというものだろうが、降水量全体の少なさでは全国第3位、日照時間の長さでは全国第14位。きわどいままの「晴れの国おかやま」。
5月×日
緊急事態宣言が延長になった。オリンピック・パラリンピックの開催日が迫る中で、収束に至りそうにはない。それどころかコロナ感染による死者は増え続け、感染力が強いとみられているインド株の広がりが予断を許さない。そんな状況が続いている中で、「オリ・パラ」開催に突き進む政府に国民の不安感は強まっている。感染対策を医学的・科学的な根拠に基づいてやろうといより、「根性」と「気力」で乗り切ろうとしていると思えてしまう。そういうことなら、国家事業として、新たに大仏殿の造立をしたらいい。天然痘によるパンデミックになった奈良時代、聖武天皇は仏教に帰依し、国分寺建立と東大寺盧舎那仏像の造立の詔を出した。「オリ・パラ」前に時間がなければ、国立競技場などに僧侶を招いて護摩法要をすれば、感染が収まるかも。
5月×日
『世界の美しい病院―その歴史』(石田純郎著)を刊行。医師である著者が、ヨーロッパや中東、アメリカ、豪州、アジア、そして日本など、23カ国88施設もの歴史的な病院施設を取材した紀行録。歴史的な建築物の写真が美しいとか、類書がないというだけでなく、世界の病院史が分かるのが本書の最大の魅力。ヨーロッパでも中世までは病人を含む生活困窮者の収容施設で、医術を施す「病院」以前の、教会や修道院に由来しているような宗教的な施設だった。ペストやレプラ(らい病)などに感染すると、各地に設けられたペストハウスとかレプラハウスと呼ばれる隔離施設に収容されていた。現代のような「病院」になるのは19世紀になってからのこと。長島愛生園や倉敷中央病院など、岡山の歴史ある病院も紹介されている。
5月×日
津山に向かった国道沿いの田圃の多くで、水を張ってトラクターを動かす人を多く見かけた。県北は田植えのシーズン。緊急事態宣言下で、天満屋アリオやイオン津山店などは食料品以外の売り場は休み。大型商業施設の休業と農繁期が重なり、街中が閑散。書店も土曜の午後にかかわらず、人が少ない。帰りに『世界の美しい病院』に載っている建物を見ようと旧中島病院へ。普段は宇田川榕庵コーヒーを出す施設になっているが、緊急事態宣言でお休み。津山の産物の販売のみをしていた。最近、マイブームのあんこづくりのために,津山産の大粒の小豆を買って帰る。
5月×日
企業を訪問しての打ち合わせが、コロナ感染拡大で緊急事態宣言が出たため「来客の受け入れが中止になった」と担当者から連絡があり、急きょオンラインミーティングになった。仕事でZOOMミーティングをするのは初めて。しかも、ホストですることになった。予定時間にスタート、事前に説明資料をPDFデータで送っていたらよかったものの、説明資料をうまく画面に表示されないまま進行してしまった。プレゼン資料の説明は代表に任せ、最初と最後だけしゃべって、なんとか約1時間で終了。音声が聞き取りにくいとか、自分が写る背景の棚が汚いとか、課題を残しつつ、なんとかやれることに自信がつく。もうオンラインミーティングは怖くない。
5月×日
今年の岡山県の梅雨入りは、昨年より26日早く、平年と比べても22日早かった。記録が残る1951年以降で過去2番目の早さだそうだ。さて、小社で、料理のレシピ集『幸せをつなぐ毎日の食卓 野菜食道こやま』を刊行していた「野菜食道こやま」が今月末で閉店するという話が舞い込んできた。個人的にも店主主催の料理教室に参加し、玄米菜食の重ね煮料理をマスター?させてもらった師匠の店。『野菜食道こやま』の書籍の制作も担当し、重版もしてきたので、思い入れも深い。店主は「すべてやりきった。思い残すことはない」と言い切っていた。「コロナは背中を押してくれただけ」という。飲食店の状況はコロナ禍で厳しいようだ。コロナ禍でなければ、閉店の仕方も違っていたはず。湿気の多い梅雨空に、コロナの感染拡大。うっとうしい季節。
5月×日
建設会社の会長にインタビューしていた原稿をまとめる。戦後の昭和と平成時代の話が中心で、業界の深い話が興味深かった。例えば、談合は、会社同士が円満に、みんなが儲かる最適の仕組みとして、自然と編み出されたものということだ。そこには行政も1枚絡んでいた。戦後、自然災害などの復旧工事は重機を持っている会社にしか仕事を出せなく、その業者が取れるように仕掛けていたようだ。巨額の工事費が動くなかで、地元の有力業者が同業者を納得させつつまとめた制度といえそうだ。当時を知っている業者は、だれも談合を悪い制度とは思っていない。個人の歴史から見えてくる会社の歴史、業界の歴史、地域の歴史……。単なる昔話かもしれないが、時には歴史の証言となる。誰からでも、どの角度から入り込んでも、歴史は興味深い。
5月×日
コミュニティFMで、週1回、本の紹介をする「オン・リーディング」のコーナー。この日は私の出演日。これまで放送日にはスタジオに出かけていたが、コロナ感染拡大のため、初めての電話での出演となった。放送時間の数分前にアナウンサーから、「2分後ぐらいの放送ですから、よろしく」と確認の電話があり、「こちらこそ、よろしく」と言って電話を切った。ラジオをかけて緊張しながら放送時間を待っていると、突然、アナウンサーが「それではオン・リーディングのコーナーです。吉備人出版の金澤さん」とラジオから呼びかける。「はいっ」と言っても、「は〜い!」と強く言っても、電話はつながっていない。ラジオは「かなざわさ〜ん、かなざわさ〜ん」と呼びかけている。アナウンサーは曲を流して、すぐに電話をかけてきた。「電話を切って待ってたのに〜」と言うと、「大丈夫、だいじょう〜ぶですから」とちょっとあせっていた様子。「電話をそのままにして待つようにいってくれれば、そうしたのに」と言ったがもう遅い。曲が止まったらそこから本番に突入し、なんとか無事に終える。それにしても、ラジオで、名前を連呼されるとは、驚いた。これって放送事故?
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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