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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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11月×日
ウェブサイトはバナーをクリックすれば、より詳しい内容を見ることができる。企業のサイトなら会社概要や商品紹介、サービス内容、採用情報など、いくつかのリンク先がある。小社のサイトでも20、30はバナーが設けられている。トップページは毎日見るが、リンク先が多いと、目の届かないものも出てくる。私の関係でも、「森陶岳の世界」「絵図で歩く津山」のサイトも更新をしないまま、数年経っていた。「森陶岳の世界」は写真集の刊行時にPRを兼ねて設置し、そのままになっていた。「絵図で歩く津山」も、刊行記念として本書で紹介したコースを著者と一緒に歩くイベントを実施して、その紹介をしたままになっていた。サイトに限らず、メインストリームに目が行きがちだが、サイドによどみがないか定期点検が必要。
11月×日
この日、大学の周年誌を重版して納品する。この大学では5年前、130年の記念誌の作成として、関係者から原稿を集めて収録した正史としての分厚い書籍と、写真を中心に掲載したビジュアル版の2冊を制作した。分厚い書籍は関係者に配布して記念誌としての使命を終えたが、ビジュアル版は学校紹介のために新入生やオープンキャンパスの来訪者などに毎年配って活用されている。正史は記念誌として必要だが、それをより一般向けに活用するために画像を中心に分かりやすく簡易版にしたものが使いやすい。一般的には、分厚い正史か簡易版か、どちらかをつくってよしとする。2つをつくるのは労力も費用も負担が増すが、100年を超える歴史書は二刀流が好ましい。米国メジャーリーグの野球選手が、投手と打者の二刀流を追求してMVPを獲得した。
11月×日
方谷研究会の役員会。10月の総会で代表者が大学の若い先生に変わり、事務局をその先生の研究室でしてもらうことになった。私も事務局の仕事から手が離れてほっとしていた。この日の役員会では、来年刊行する「山田方谷ゼミナール」の内容や発表会で講演する候補者、方谷の「漢詩教室」などについて話し合った。一通り話し終えて会の終了前、新しい代表から退会の申し出があった。代表を誰がするか、事務局をどこにするか、バックナンバーの会報誌をどこへ持っていくか、ウェブサイトを誰が管理するかなど、何も話さないまま、会場の時間制限で終了。すべて継続の審議に。こういう辞め方が社会人としてどうか……。事務局が宙に浮いたまま、〔つづく〕。
11月×日
第4回ビジネスアーカイブズセミナーを県立図書館で開催。講師の山陽放送の元ディレクター石原氏は、長年、地元制作のテレビ番組「VICE21」で、香川うどんや津山ホルモンうどんなどを取り上げてブームをつくり出してきた敏腕ディレクター。番組内にディレクターがときどき登場してしゃべっていたのを覚えている。演題は「岡山に風が吹いている~故郷の力と可能性~」。千鳥などの岡山出身の漫才師や藤井風の人気、NHK連続テレビ「カムカムエヴリバディ」の放送などで岡山に風が吹いている今、岡山にたくさんある魅力をもっと誇りを持って情報発信していこうと鼓舞してくれた。石原氏は来年、小社から書籍を刊行すべく原稿の執筆中。発刊が楽しみだ。
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11月×日
NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。今回は岡山、大阪、京都を舞台に、昭和から令和の3つの時代を生きた祖母、母、娘の3世代の家族の物語ということだ。最初の舞台が岡山で、主演は上白石萌音。岡山出身の役者・甲本雅裕や浅越ゴエ、前野朋哉なども出演しており、岡山弁が満載だ。後楽園周辺でロケがあったころから話題になっていた。私も県総合グランド内にある洋風建築「岡山偕行社」で撮影をしていたのを、自転車で帰宅中に偶然に出くわした。ドラマの中では喫茶店での場面に使われたようだ。岡山弁といえば、最近ではAdoの楽曲「うっせぇわ」のヒットに便乗して、県が交通事業者を支援しようと発行されたプレミアム付き交通券のPR動画「ぼっけぇわ」が話題になった。便乗商法、大賛成。社内では「岡山弁トランプ」の増刷が検討された。
11月×日
「農産物のブランド化」についてのシンポジウムの内容を記録集の書籍にするにあたり、書籍の巻末に県内の農林水産物をまとめることになった。調べてみると、あるわあるわ。蒜山だいこんや連島ごぼう、黄ニラ、岡山パクチー、黒大豆やとうがらし、ハッカ、ヤマノイモ(銀沫)、佐伯こんにゃく、冬瓜など。幻の栗と呼ばれている「哲西栗」とか、どんな姿の果物か、野菜なのか分からないパスクラサン、エンダイブ、トレビス、リーキなどもある。地名が付いていると、ブランドイメージが鮮明になる。シンポジウムの中でも述べられていたが、ネーミングが重要だが、ネーミングの商標登録はもっと重要だ。シャインマスカットは商標登録をしていなかったために、県外や海外で栽培されシャインマスカットの名前で販売されているとか。同じ名前を使っても、何も言えない状況になっているとか。権利保護は大事。
11月×日
骨から採取したDNAの分析から、弥生人の顔を復元した顔を鳥取県が作成した。この骨は、鳥取市青谷町の「青谷上寺地遺跡」で見つかったもの。私も現地で出土物を見学したことがある。矢の刺さった跡のある頭蓋骨もあった。今回の顔は国立科学博物館が監修し、骨から採取したDNAを分析して復元したらしい。父系は日本古来の縄文人、母系は渡来系で、頭髪は黒々とした太い毛だったことが判明したという。ただ目が一重か二重かとか唇の厚さは分かららないそうで、瞼は奥二重にしたとか。鳥取県では、この復元した弥生人のそっくりさんを全国から募集する。入賞者には県産品をプレゼントするほか、「とっとり弥生の王国」の国民登録をするというから、鳥取県の観光行政はあざとい。抜け目がないのは10年以上前からだが、岡山県もこのあたりを見習いたい。
11月×日
大腿骨骨折をした母親が家に帰った。手術をした病院からリハビリセンターに移って訓練し、家にはベッドやポータブルトイレなどを準備したうえでの退院だ。病院や訓練施設ではコロナ感染予防で面会できなかったので、ほぼ3カ月ぶりに対面。家に帰ったとはいえ、老人福祉施設が空くまでデイザービスとショートステイで毎日出かけるという。秋に入って、コロナの感染者が全国的に少なくなった。関東圏などでも大幅に減ってきた。全国的に減少傾向だが、岡山は人口比率にすると、感染者数は全国トップクラスとか。いずれにしても冬の第6波が抑えられるかだ。今年は父が亡くなったので、そろそろ喪中ハガキを準備しなければ。
11月×日
企画を出していたPR会社から、コンペに落選したとの連絡が入る。企画が悪かったのか、主旨に沿っていなかったのか、金額が高かったのか、理由は分からない。「当選」と勝手に思い込んでいたのだが……。相手任せのコンペの勝率は低い。勝算がなければ、お付き合いでは参加しにくいなぁ、と思いながら外を歩いてみると、季節が変わっている。過ごしやすい秋日和が続いている。夏の暑さが10月上旬まで続き、急に秋になった。街路樹の紅葉も進んでいる。このタイミングで自転車通勤にしようか、と思うのであった。
11月×日
10日ほど前に、「病気で動けないのでライフワークにしていた執筆と本づくりを手伝ってほしい」と言われた方が亡くなった。家族からの電話が入ってきた。亡くなる前の日に、送付した資料を「受け取ったよ」という電話があったばかりだった。その声はかすれて咳をされていたが、はっきりとした送付に対する礼の連絡だった。ほんの少し前に、本人から頼まれたことが「遺言」になった。息子さんに本づくりのことを話していたらしく、葬儀などが落ち着いたら話し合うことになった。本の内容は先祖にあたる歴史的人物の評伝なので、ご遺族にとって無関係なことはでもない。すべてはご遺族と話し合ってから。
11月×日
宇喜多直家の生涯を描いた小説が出た。作家・垣根良介の小説「涅槃」。出たとは聞いていたが、内容は新聞の書評で知った。直家悪人説を否定し、新しい直家像を作り上げているという。私も直家を「梟雄」と呼ぶにはふさわしくないと思う。直家の生き方はは、自分たちの被害を最小限にして戦国の世を生きのびるということだ。敵将の首を討ち取れば勝利す戦国時代に、直家は自軍の被害を最小限に抑え、「確実に勝つ戦法」をとった。スナイパーを放っての暗殺、毒殺、だまし討ちなどで手段は選ばず、連勝を目指した。目的地に最短距離で走ろうとした武将だ。新聞の評者は、「現代の中国とアメリカという超大国に挟まれていた今の日本が生き残るヒントがある」というが、ちょっと言い過ぎでは。ヒントも何も、勝つ方に付くのが直家の戦法。その見極めが大事。
11月×日
衆議院選挙では有権者の半数が棄権している。岡山県の投票率は全国2番目の低さ。投票した壮年や老年の有権者は、変化を望んでいないのだ。総社市の村で、江戸時代にこんなことがあった。藩が財政難で、藩が木や下草などの燃料を自由に獲得できるように、村人が共有する山(入会地)を勝手に取り上げた。村人は困って抗議したが、聞き入れられず、代表が江戸に直訴に出向いた。問題は解決したが、藩主に盾突いた村人の代表らが村内で打ち首にされた。こんな事件があると、御上へ物申せなくなる。県北の村々でも、江戸時代には大きな一揆が起こり、首謀者をはじめ多くの村人が打ち首にされている。江戸時代の事件の影響が、現代人に染みついていると思う。変革は求めない。悪政でも今のままがいい。黙って見て見ぬふり、知らん顔がいい。投票しないのは、“知らん顔”の政治的表明。藩政への無関心が、現代の政治への無関心につながっている。
10月×日
退職された60歳代の著者から、使っていたeメールが使えなくなり、メールが送れないと連絡が入る。私を含め高齢になると、次第に新しいことについていけなくなる。自分では、同じ世代の人よりは使っているソフトも少しだけ多く、デジタルをある程度は使っている方だと思っている。ただ、ソフトをバージョンアップしたり、新しいアプリにすると、たちまち使えなくなる。年齢が高くなるにつれて、新しいものの吸収力が衰えてくる。社内では、不明なことがあれば若手M君にたずねると、大抵のことは解決する。ところが、新しいソフトの使い方などは教えてもらっても、数日使わないでいると忘れてしまう。使い方を聞いたら、詳細にメモしておく。その書いた手順は、細かすぎて人には見せられない。
10月×日
岡山で日本語を学ぶ外国人のための学校に、本の納品のために訪問。担当の方から学内を案内してもらった。学校には中国やベトナム、インドネシア等の順でアジアの国から来日している学生が多いそうだ。多いときは数百人の学生が学んでいたが、コロナ禍で激減し、現在は少しずつ回復傾向にあるという。資格が取れると、日本の学校に進学したり日本での仕事に就いたりしている。中にはこの学校で日本語を身につけて、東大に入学した人もいたとか。教室で学んでいた学生はみんな真剣だった。日本の若者にこういう真剣さがあるのか。遠方に進学していった、わが家の大学生に見せてやりたい情景だった。
10月×日
「読書の日」に、RSKのラジオ番組に出演。日頃の読書のことを聞かれると思ってスタジオに入ったら、そのことには触れられずに本題に。本番前に、「晴れの国おかやま検定」の試験や公式参考書、過去問題集のこと、そして100点を取得した方の話から合格のコツについて、最後にアーカイブセミナーの話をしたいと、アナウンサー伝えていた。本番が始まると、途中で過去問題集からと問題を出すことになった。私から簡単な問題を出した後、「もう1問」とパーソナリティが自分で出題するも解答欄がすぐ見つけられずにまごついてタイムロス。私から「合格するコツが3点ある」と言って説明を始めたものの、最後の1点を言えないまま時間切れ。セミナーにも触れられず。合格するコツを、あと1点言えなかったことが心残り。生放送は難しい。
10月×日
小選挙区で、当選回数複数の現役与党議員に、革新系の若手新人が挑むのは厳しそうだ。選挙期間中の選挙活動では、自分の主張を伝えきれず壁は高い。現役与党議員の5人のうち4人は2世議員だから、親(義父)の選挙地盤を引き継いでいる。新人候補者は若く、SNSで発信しても世代を超えては広がりにくい。やはり選挙のない普段から、地域の政治的な、社会的な問題にコミットメントして目立っていないと共感は得られない。参考になるのが、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリ。地球温暖化の弊害を訴えて抗議活動を行って注目され、ストライキやデモにも積極的に参加し、今や彼女の活動は世界舞台。地元の若者に、街づくりの問題や若者の投票率アップ、ジェンダー平等などなんでもいい、街中でのリアルな活動での政治参加を期待してしまう。
10月×日
現在、著者の中には90歳以上の方もいらっしゃる。その中の一人の、小社で15年ほど前に出版された著者が、次の原稿のゲラを持ったまま病気になって入院され、高齢者施設に入られている。ゲラのやり取りをする窓口がご本人から息子さんになっている。病気の状態をみながら校正をしてもらうことになっているが、初校ゲラを渡して1年近くになる。その息子さんの奥さんも実家の親の面倒を看ており、コロナ禍で奥さんとも1年以上も会っていないそうだ。著者であるお父さんは、時々思い出して「早く本の校正をやらないと」と言っているという。ご本人の病気の回復を待つしかないが、後期高齢者の本づくりの支援は、ご本人はもちろん、子どもさんへの対応など周辺の方への配慮も必要。
10月×日
病気で体調を崩されかた方から電話があり、ご自宅に向かった。到着すると、ソファにいたご本人の隣に座るように言われる。1カ月前に会ったときより、さらに痩せておられる。体調が芳しくなく、「いつなんどき病気が悪化するかもしれない」という。動けないので、先祖の評伝を書くための作業を手伝うように言われる。原稿の執筆の続きは兄弟に頼むので、資料を集めることから本にするまでの手伝いを頼まれる。断れる状況でもないので進めることになった。手伝うことになったからには進めるが、帰りの車の中で責任を痛感した。
10月×日
映画『サマー・オブ・ソウル』をシネマ・クレールで観る。1969年にアメリカのハーレム地区の公園で開催された音楽フェスティバルのドキュメンタリー映画。出演者は若いスティーヴィー・ワンダーやB・B・キング、グラディス・ナイト・アンド・ザ・ヒップスらの黒人ミュージシャン。フェス前年にキング牧師の暗殺などがあり、人種差別に抗議する雰囲気が充満しているが、当時のソウル・ミュージックが十分に楽しめる。動いている若いスライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンやニーナ・シモンを観ることができ、彼らの音楽を聴き直してみようと思った。観客は3人。ピーター・バラカンのラジオ番組で何度も取り上げて紹介していたが、地方都市では超マイナーな映画。
10月×日
今年の4月に国会内で「山田方谷の志を学ぶ国会議員連盟」が役員改選し、会長は加藤、会長代行には逢沢、顧問に片山、副会長には橋本、津村、谷合、石井、幹事長に山下、幹事にあべ、柚木、事務局長に小野田となった(敬称略)。岡山県から選出された衆参両院の超党派議員で、全員が役が付いている。今回の衆議院選挙の立候補者から、山田方谷の名を聞いた人はいない。山田方谷は農民の立場を理解しながら藩政改革に懸命に取り組み、地方の藩から幕政を考えた“至誠惻怛”の人。与党の現職議員は「当選したらまずコロナ対策をやります」「経済対策をやります」というが、この4年間に何をしていたのよ。山田方谷のいう誠意はあるの? ほとんどの方が山田方谷の志に学んでいないのでは、と見える。
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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