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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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岡山の戦国武将の・宇喜多直家、その子の秀家、秀家の母おふく、3人のイラストをラベルにした3種の日本酒が完成した。蔵元は、おふくとゆかりの真庭市勝山にある御前酒蔵元辻本店。昨年10月、岡山城で開催したイベント「宇喜多☆フェス」に間に合わせるために急きょ開発したものを、今年は大幅にリニューアルした。

イラストはプロの漫画家・大竹直子氏に依頼した。彼女はもともと宇喜多直家のファンで宇喜多家史談会の会員。宇喜多家の菩提寺・光珍寺の住職から紹介してもらい、電話で依頼すると快く引き受けてくれた。彼女の近著は、『備前軍記』などに載る宇喜多のエピソードをモチーフにした『阿修羅の契』(小池書院)がある。

ボトルやパッケージも一新され、ボトルの色や中身の酒も3人の人物像に合わせている。ラベルの違いだけでなく、中身も味わってほしい。歴史好きの人なら土産品にしても喜ばれそうだ。蔵元では岡山空港や岡山駅周辺の売店でも販売し、様子をみて好調なら海外での販売も検討していくという。

「宇喜多地酒」が発売になったことで、今回の私のミッションは終了となったが、1つ気になることがある。宇喜多を盛り上げると、それをあまり快く思わない人たちがいるからだ。備中出身の三村姓の方だ。400年以上前、明禅寺合戦で2万の備中の三村軍は5千の宇喜多軍に破れた。これを契機に備中松山城の三村家は城を追われる。今も「宇喜多にやられた方だからなあ」と言い、宇喜多は嫌いだという態度だ。破れた側からすれば、400年以上前のことでも心に引っかかることがあるらしい。

そういう私も、吉備を滅ぼした大和政権のことを、快く思っていない。1500年以上も前のことでもそうなのだから、400、500年前のことなら致し方ないか。吉備の後裔である岡山県人の多くはすっかり忘れ、許してしまっているのか。天皇制批判を、吉備が大和にやられたことを論拠にする人を知らない。天皇や皇太子などが来岡すれば、日の丸を振って歓迎している。私も県庁通りに旗を持って見に行った。しかし、何となく好きではないのは、古代からのしこりが消えてはいないからなのだ。1000年を超えてもそうなのだから、400年ぐらいで、「きれいさっぱり水に流して忘れてくれ」というわけにはいかないのである。歴史上、日本各地に戦があって勝者と敗者がある。勝てば官軍だが、やはり敗者の気持ちを思いやる必要があるよねえ。

それに日本だけではなく世界には、長年の恨みつらみが残る根深い問題がある。宗教や民族、土地の問題も絡まっていがみ合い、あと1000年は和解しそうもないパレスチナ問題もアイルランド問題もある。最近の中国や韓国との領土問題など、100年も経たない満州事変や太平洋戦争に根があり、解決の糸口は見えそうにない。あの太平洋戦争はなんだったのか、戦国時代に起こった各地の合戦はなんだったのか…。

そんな歴史の話などをしながら、新しい地酒で一献傾けよう。
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プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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