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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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新刊『青史1』は「倉敷新聞」の1面コラム「青史」の昭和56年と57年の2年間分を収録している。「青史」とは、紙のなかった古代中国で青色の竹簡に文字を書いたことから「記録」とかの意味があるそうだ。新聞の1面コラムは、朝日新聞でいえば「天声人語」、読売新聞では「編集手帳」、「山陽新聞では「滴一滴」に相当する。

「倉敷新聞」は昭和8年に創刊し、平成12年に廃刊している。戦時中の休刊はあるものの67年目の廃刊だ。「青史」欄は創刊1万3000号を記念して昭和56年にスタートした。本書では連載開始から翌年末までの約200編を収録。昭和56年と57年のことだから、今から30年前の日々が綴られている。

30年前の倉敷は何が起こっていたのか。昭和55年には倉敷新庁舎が建っている。56年には倉敷橋上駅が開業。58年には倉敷駅ビルがオープンし、倉敷市立中央図書館や市立美術館、自然史博物館が開館している。

岡山県全体を見ると、知事は長野士郎。56年に吉備高原都市の起工式をしている。その3年前に瀬戸大橋が着工して、苫田ダム建設の計画が起こり、新岡山空港建設に向けて動いていた。日本は高度成長期で、長野県政は次々と箱ものを建設しようとしていた時期だ。県のキャッチフレーズは「燃えろ岡山」。

例えば、長野県政がこの時期に巨額の予算を組んで進めた大型プロジェクトは、30年後にどうなったか。岡山空港、瀬戸大橋、吉備高原都市、岡山リサーチパーク、チボリ公園、苫田ダム、スペイン村、ファーマーズマーケット、県立大学、CONVEX岡山、岡山テルサなど。成果のあったもの、無かったもの…。財政難になる心配はなかったのか…。その当時では予測できなかったことが、30年前を経って振り返って検証することができる。それは次の30年を考えるときに必要だ。

「青史」は日々書かれたもので、市制のことや流行の風俗、年中行事のことなど、内容は多岐にわたる。商業圏の移動や行政の施策、財政難、公害などの社会問題…。当時とすっかり様変わりしたことや、相変わらず同じ問題を引きずっていることもある。過去を振り返ることは、倉敷のまちづくりを考えるときに不可欠だ。「青史」を役立ててほしい。

「天声人語 書き写しノート」というものがあって、写経のようになぞるノートが売れているらしいが、そこまでしなくてもいいが。
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プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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