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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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昨年、書店で流通させて販売した本は約30冊。定価を付けず販売しない、いわゆる私家本類は約20点だった。私家本の中には、個人でつくられた俳句や短歌、詩の作品集や自分史、郷土史などのほか、企業や官公庁、特殊法人などの団体がつくる記念誌や報告書、美術館の図録もある。

個人でつくられる作品集などは、「本にして残しておこう」という著者の意向で制作される。自分史や長年調べてきたことや書きためたことをまとめたいという方だ。知り合いの方に配られたり、図書館に寄贈する程度なので印刷部数は少ない。一般の人の目に触れることはあまりなく地味だが、著者を知る人や、その地域の人にとって大切な本となる

2012年の私家本の中で特に紹介したいのが『平川の歴史-岡山県高梁市備中町平川の歴史-』と『美和の郷風土記』。『平川の歴史』(A5判、112頁、並製本)は備中町の教育長もされた江草正光さん(70代)が中心になり、町内の有志数人で平川という小さなエリアの古代から近世までの歴史を調べてまとめられた。高齢者中心の典型的な中山間地の村で、「自分たちが調べて残しておかないともう分からなくなってしまう」という危機感から「平川の歴史を語る会」を結成してまとめたものだ。

『美和の郷風土記』(A5判、195頁、上製本)の著者は郵便局長を務めて退職された浦上宏さん(80代)。自分のルーツを探る『浦上氏の系譜』(私家本)を6年前に刊行し今回が2冊目になる。瀬戸内市長船町東須江在住で地域の歴史に強い関心を持たれているようで、各地を歩いたうえでまとめられている。「はじめに」に書かれているように「活字にしておかないと消えてしまう」という想いで執筆したそうだ。須江の地名から分かるように古代から「須恵器」が焼かれていた地域で、後にそれが北の山を越えて備前の地に移り「備前焼」になる。古墳もあって、私自身がこのエリアの歴史に興味があるからだが、参考になる内容だ。

歳をとると自分のルーツや育った土地の歴史に興味が出てくる人が多い。地域の歴史をコツコツ調べて書いて残すことは大切だ。次の世代がやがて歳をとり、地域の歴史に関心を持ち、こうした書物を読んでくれかもしれない。もし自分たちの地域の歴史を書いた書籍がなければ、若い人たちにはその地域にたいした歴史がなかったのかと思うかもしれない。調べて足を運んで取材し、そこに住んでいる人に話を聞いて書いておくーそんな人が各地に増えてほしいものだ。できれば、そんな人の本づくりの手伝いをしていきたい。
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こんにちは
僕もたまたま個人の方がごく少数だけ作った本を読む機会がありました。

旧児島市に関する本だったのですが、実際にその地に暮らしたり、歩いて見聞きしてきた方ではないと語り継げない歴史は、確実にありますよね。

ネットや本で幾ら調べても詳細が判らなかった寺社などが、近所の方に聞いてみるとあっさり判ったり…。
そういった本との出会いも、たくさんしていきたいなぁと思いました。
藤崎 URL 2013/02/14(Thu)16:35:46 編集
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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