忍者ブログ
吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
<< 07  2018/08  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31    09 >>
[460]  [459]  [458]  [457]  [456]  [455]  [454]  [453]  [452]  [451]  [450
3月×日
この時期は新年度に向けて、学校の教科書を扱う取次店や書店が忙しい。小社でも教科書採用の書籍が数種類あり、取次店から注文があった。その一つ『子どもの自己実現とその支援』は品切れになっていたので、このタイミングで増刷した。初版は2000年だから、今年で18年間も教科書として使われきており、今回の増部は11刷目。累計は1万部を超える。著者は複数の大学や専門学校などで講師をしていたが、高齢になるに従って「来年度は延長されるかどうか分からない」という段階になっていた。著者と相談しながら、春からの採用が決まってから増部と部数を決定した。
3月×日
書籍にする前のゲラ刷り(校正刷り)前、著者から持ち込まれたワープロ原稿を読んで、震えるほど深く響いてきた。昨年に一部の原稿を渡されていたが、先日、完全版を受け取っていたので通して読んでみた。江戸時代の人が書いた古文書の解題で、A4の用紙に20枚ほどの分量。著者は、古文書の著者が執筆しなければならなかった心情に分け入り、その人を取り巻く背景も探る。古文書の著者が職人として追い求めた世界も深いが、その古文書を入手しそれまでに培った経験と好奇心で探った解説も興味深い。ワープロ原稿の段階で、これほど感銘を受けたことはない。
3月×日
版元ドットコムを通して電子書籍を作成した出版社が、共同で数百冊をパッケージにして電子図書館に販売する話を進めてくれている。現在、全国に電子図書館は55館ほどあり、電子図書館の取次店を通して当面は10館程度から進めていくということだ。1館が1万円になれば年間12万円が見込まれ、それが10館なら120万円ということになり、それを参加の出版社で分配するという計画という。実際どうなるかは不透明。電子図書館で電子書籍を利用したことなどないから、実感がまったくない。電子書籍は牛の歩みながらも前に進んでいるようだ。
3月×日
野外に置いているた彫刻を撮影して写真集として発刊する。彫刻の作者は、著者の亡くなった夫。作品の写真は撮ったままだと背景が映り込んで、作品が引き立たない。そのため著者はカメラマンに背景の消去を頼み、数日をかけて二人でモニターを見ながら約100点を処理してきた。作品はコンクリートであるため重量があり、スタジオに持ち込むわけにはいかなかった。処理後の写真は作品が浮き上がり、加工の後が残るが、著者の意図に沿っている。著者は彫刻家の夫が亡くなってから、彫刻公園の整備と写真集の刊行が念願だった。今回の写真集は、著者の意向に沿いながらの本づくりを進めている。
3月×日
高齢の方のところにゲラを届けて新しい原稿を受け取りに行くが、原稿はもらえないまま帰る。机の周辺には、原稿は数本を書きかけたまま。完成品はない。書きたい意欲は旺盛だが、忙しくて思うように書けないと言う。取りかかっては途中で次のことを思い出し、そっちに取りかかり、次々に次のものに取りかかる…。老いてくると、記憶やひらめきの能力や、見たり聞いたりの身体機能が衰え、集中力がなくなってくる。結局、完成品ができないまま、途中段階のモノが増えてくる。この傾向、初老の自分にもないことはないゾ。初老って何歳から?
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
プロフィール
HN:
執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
最新コメント
[05/20 omachi]
[12/23 やぶひび]
[07/01 和]
[07/01 和]
[05/02 藤崎]
最新トラックバック
ブログ内検索
最古記事
(09/15)
(04/01)
(04/08)
(04/15)
(04/24)

Copyright (c)ほぼ週刊 編集日和 All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by Pearl Box  Template by tsukika


忍者ブログ [PR]