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吉備人出版・金澤健吾の編集日和です。
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西日本豪雨特集3
工事中
豪雨による真備町冠水から3週間。土曜の夕方、実家に寄る道筋にもなる真備町の主要道路を通り、知人の店に寄った。道路脇に積み上げられていた家財は少なくなっていたが、側道を少し入れば、まだゴミは山積みにされている。知人の家も2階まで濁流が押し寄せ、1階の床をはがして床下の片付け中だった。板を少し運んで、話を聞いた。「ボランティアが来てくれたので片付いている。ボランティアがいなかったら少しも片づいていないよ」と開口一番。猛暑の中で、家族だけでは何もはかどらないというのはよく分かる。それから「これは人災だよね。決壊すると水に浸かるのは分かっていたんだから」とも。彼が心配していたのは、浸水した家の住人が住み続けるかということとと、農業をするする人がいなくなるということ。保険で家が建て替えればよいが、転居を考える人もいるようだ。また、浸水した農地は泥をかぶり、農業機械が水没しているなかで、高額な農機を買ってまで農業を再開する人がどのくらいいるか…。厳しい現実だ。
台風前の風で、砂埃が町中を舞っていた。この埃は消えるには、何度の雨に流されないといけないのだろう。何年待てば、元の町に戻るのだろう。

この地域の高齢者は、過去に町が浸水したことを伝え聞いていた。ハザードマップも町が浸水することを告げていた。国交省も、高梁川の洪水時には小田川が逆流することを知っていた。にもかかわらず…。

にもかかわらず…。28日の地元新聞によると、国土交通省が小田川の中州に茂った樹木の伐採に緊急着手したという。真備町地区住民らは以前から早期伐採を再三求め、県も5月、こうした地元要望を国に伝えていた。同地区の避難所に身を寄せている女性(69)は「川の中の樹木が生い茂り、根元に枝木やごみが絡まって流れが悪くなることを心配していた。もっと早く対応してもらえれば少しは状況が違ったかもしれない」と話す、とある。中州や河川敷の樹林化は増水時に川の流れを妨げる上、流木やがれきが引っかかるとさらなる水位上昇を招く恐れがあり、国が2010年に策定した河川整備計画は「小田川の流下能力不足の原因は高梁川からの水位上昇に加え、河道内の樹林化がある」などと記載。今秋にも着工する高梁川との合流地点の付け替え工事に加え、中州の樹木伐採などを治水対策として盛り込んでいる、としている。
2010年に小田川の河川整備計画を策定したが、手つかずだったわけだ。地元から「人災」の声が上がってもしかたない。

さらに、同じ地元新聞に、小田川中洲の樹林化と今回の堤防決壊との因果関係については、「影響はゼロではないだろうが、詳細に検証しなければ分からない」と河川工学の専門家が言って、現時点で影響の度合いは判明していない、インタビューに答えている。中洲に樹林が茂っている川と樹林のない川と、どちらの流れがスムーズか、模型で実験してみればよい(実験するまでもないが)。専門家ならではの、異常に慎重な発言をしている。

ついでに、小田川と高梁川との合流点を約5キロ下流に移す河川整備計画の総事業費は約280億円。この費用を最近話題の防衛費と比べると─。

政府が購入を予定している輸送機オスプレイを1機が211億円。17機購入で3600億円。F35戦闘機は1機200億円弱で、6機を導入予定で1072億円。また、2023年度の運用開始を目指す地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」取得費用は2基で約4000億円。搭載ミサイルの購入費などを含めると総額で6000億円近いという。

これまでの常識が通用しない異常気象が続くといわれ中で、全国の河川氾濫や土砂災害の対策費にもっと回すべきでは。
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執筆:金澤健吾
性別:
男性
自己紹介:
吉備人出版 取締役。
方谷研究会。
おかやま自転車ネット。
twitter/kibitoman
岡山の古代・中世・戦国・近世など郷土史大好き。岡山本も大好き。自転車、ジョギング、自然好き。ジャズ、ロックなど音楽好き。子育て中。
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